苗場編〜リゾートマンションの物件調査
『苗場と言えばスキー』、そう連想される方も多いのではないでしょうか?
苗場は新潟県の山中に位置にし、冬場はスキーリゾートとして知られるところです。
苗場にはかつてのバブル期とスキーブームにあやかって、多くの高級リゾートマンションが建てられました。
しかしバブルの崩壊とスキーブームが去ったあと、訪問客も減り、多くのリゾートマンションだけが取り残されている状況です。
これらの高級リゾートマンション物件は現在どのような状況になっているのでしょうか?
苗場には資産価値を維持できているマンションはない
苗場のリゾートマンションの価格を調べてみると販売価格が10万円のマンションばかりが並んでいます。最も販売価格が高いマンションでも販売価格は400万です。
この400万で売りだされているマンションの物件情報を調べてみると以下の通りです。
竣工:1991年12月
総戸数:254戸
階数:13-14/14階建て (メゾネットタイプ)
間取り:3LDK(107.19平米)
管理費:48,240円
修繕積立金:10,720円
設備:プール、大浴場、サウナ、スキーロッカー
プールや温泉、サウナなどの豪華な設備を有したリゾートマンションです。おそらく販売価格は何千万という価格だったはずです。ひょっとしたら億越えのマンションだったかも知れません。
しかし、現在の価格は400万円しかありません。
苗場には販売価格が10万円のリゾートマンションがずらりと並んでいます。販売価格が10万のマンションが並ぶ中では、どれだけ立派な部屋であっても400万という価格で成約するのは難しいでしょう。
毎月の管理費と修繕積立金
このマンションは平方メートルあたりの管理費は450円のため、他のリゾートマンションの管理費と比べて著しく高い、ということはありません。
しかし、修繕積立金の平方メートルあたりの価格は100円となっています。これだけの設備を有する大規模マンションでありながら、修繕積立金は全く足りていません。
資産価値を向上させるという観点の修繕工事は行わないにしても、配管の取り替えの必要性があった場合には、修繕積立金がショートしてしまうかも知れません。
築30年がエレベータ工事の目安とされており、1991年竣工のマンションであれば、2021年頃にはエレベータにも大掛かりな工事が必要になる可能性があります。
「毎月の修繕積立金と管理費を合わせて5万の維持費でこれだけの高級マンションに住めるのなら、ここでもいいじゃないか?」
そのような観点だけで選んでしまうと、手痛い目に合う可能性があります。
販売価格が10万の物件はどんなマンションか?
この苗場エリアにはざっと数えただけでも、販売価格が10万のマンションが84件並んでいました。その中から1つ物件概要を紹介します。
竣工:1989年12月
総戸数:222戸
階数:12/14階建て
間取り:1K(27.25平米)
管理費:13,592円
修繕積立金:5,060円
設備:プール、大浴場、サウナ、フィットネスルーム
このマンションの管理は他のリゾートマンションと比べて、管理費が安く見えますが、平方メートルあたりの管理費は498円です。
「この部屋に住んで払う管理費」と考えれば13,592円ですが、平方メートルあたりの管理費単価は高いです。反対に修繕積立金は安いです。(修繕積立金が安いことは健全な状態とは言えませんが)
どのリゾートマンションもそうですが、もしたまにしか利用しない設備にメンテナンスや維持コストを掛けているのであれば、設備を止めてしまうということも一つの手です。そうすれば管理費は幾分か下げられるため、暮らしもいくらかは楽になるはずです。
販売価格が安いのは毎月の管理費と修繕積立金の負担が大きいためです。
管理費を削減できる可能性があるのであれば削減したほうが良いです。リゾートマンションの管理の削減方法については以下で紹介しているので参考にしてみてください。
参考リンク:リゾートマンションの管理費
苗場のリゾートマンション
熱海のリゾートマンションは差別化を図ったり、資産価値を維持できていると思われるマンションがあります。
しかし、残念ながら苗場にはそのようなリゾートマンションはありません。
今苗場に移り住む人が多いとの記事も出ており、様々な事情があって移り住んでいるようですが、このエリアのリゾートマンションは一度購入したら売却はもう無理でしょう。
そしてマンションは購入後、維持費として、「管理費、修繕積立金、固定資産」が必ず発生ます。
「毎月数万円の維持費を支払ってでも苗場を終の住処とする」そのようなスタンスであれば、苗場のリゾートマンションも購入する価値があるのかも知れません。