マンションの一室がゴミ屋敷化してしまったら
8月のマンション管理新聞に、ゴミ屋敷と化してしまった分譲マンションの一室を正常化するまでの記事が紹介されていました。
もし、自分が暮らしているマンションの一室がゴミ屋敷化してしまった場合、資産価値という面からみて、その価値は激減するでしょう。
これから購入予定のマンションの一室がゴミ屋敷化していたら、多くの人が購入を控えるでしょう。分譲賃貸でも同じだと思います。
そして、区分所有権により簡単にはゴミを排除することはできません。
ではこのマンションはどうやって正常化できたのでしょうか?
ゴミ屋敷と化したマンションの正常化まで
このマンションの一室のゴミ屋敷化が始まったのは2005年頃で、同じ頃に管理費の滞納も始まったようです。その後、区分所有者はマンションからいなくなってしまいました。
幸いにして携帯番号が変わっておらず、連絡を取ることができたため、管理組合は区分所有者に撤去を要請し続けていたそうです。
区分所有者側の言い分としては、費用負担(70平方メートルの部屋で撤去費用は約90万)が出来ないとのことで、断わり続けていたそうです。
区分所有権があるために強制撤去には裁判が必要になり、裁判にはお金も時間もかかる。
そうであるならば、管理組合が「費用を立て替える」という建前のもと、区分所有者との合意を取り付けゴミを撤去し正常化したそうです。(ここで『建前』と紹介されていたのは、この管理組合は費用が戻って来ることは期待していないためです)
そのゴミの量は1.5tトラック6台にもなったそうです。
管理組合がこの問題を振り返った時に、解決できた最大のポイントは「連絡がついたこと」そして「話が通じない相手ではなかったこと」とまとめられていました。そして、今回は一件だけだったが、何度も管理費から負担できるものではないとも綴られていました。
マンションの一室がゴミ屋敷化する可能性はどのくらいあるのか?
分譲マンションの一室がゴミ屋敷と化すというイメージがつきにくく、どちらかというと孤独死などので居住者の方が亡くなっているパターンのほうが、昨今の報道から多い印象があります。
実際、築年数がそれほど経っていなければそれほど問題ないのかも知れません。
しかし、年数が経過すれば、居住者も変わってきます。分譲賃貸での居住者が増えれば、マンションへの関心は薄れていくでしょう。
私が住んでいる家の隣のマンションの部屋には、腐敗していると思える段ボールが窓際に積み上がられているのが見えます。
この記事を読んで対岸の火事ではないなと感じています。
もし分譲マンションがゴミ屋敷化した場合、区分所有権で守られているため、本人が応じなければ裁判から強制撤去までの一連の手続きを踏むことになります。
この事例以外には、下記のサイトでゴミ屋敷の解決事例が紹介されていました。→http://www.kikou.gr.jp/files/mdnews90/mdn90_3.html
詳細はリンク内容をご確認いただきたいのですが、このケースでは、区分所有者の方が管理組合に対して聞く耳を持っていなかったようです。
最後の締めくくりには
一旦は強制執行により、全てのゴミはなくなり、平穏な生活が戻りましたが、相談から解決まで3年以上は掛っており、関係者の心労と負担は大変なものでした。
とまとめられていました。
マンションの一室がゴミ屋敷と化してしまったとの話は個人的には聞いたことがありません。そのため、それほど事例は多くないのではないかと感じています。
しかし、もしもマンションの一室がゴミ屋敷化してしまった場合、それは管理の問題でなく個人に依存する問題のため、解決が非常に難しい問題に発展してしまうでしょう。