管理費の横領?!マンションの元理事長を逮捕‼︎
先日のマンション管理新聞に「管理費を横領!元理事長を逮捕」という記事が出ていました。
記事の概要を説明させていただくと、
広島に住む無職66歳の男性がマンションの管理費を横領したとして逮捕されました。同容疑者は居住するマンションの管理組合の理事長を2011年6月から2014年3月まで勤めていましたが、理事長着任期間中3回にわたり管理費を合計151万5000円を引き出し、横領した疑いがあり、「間違いありません」と容疑を認めているとのことです。なお、これ以外にも使途不明金は2000万以上あるとのことです。この理事長就任以降、一度も理事会や総会は開かれていなかったようです。築40年、50戸のマンションとのことです。
管理体制の問題?なぜ管理費が横領されてしまったのか?
マンションの管理組合の体制において、通常であれば、理事長が通帳を保管し、会計担当理事が印鑑を保管するといった形で、印鑑と通帳を分離した形で管理します。この管理は管理会社も同じことです。
このケースでは理事長が会計担当理事も兼ねていたため、この「分離した形での管理」ができていなかったようです。
ここからは推測ですが、おそらくは「自主管理のマンション」であったのではないかと思います。40年前となると高度経済成長期の真っ只中であり、マンションがどんどん建築されていた時代です。また「マンション管理」という考え方も浸透していない時代であり、自主管理も珍しくはない時代です。
その時建てられた公団住宅などではまだ自主管理が多く残っているのではないでしょうか?なお、現在新築分譲されるマンションでは自主管理という管理形態は見たことがありません。
また築40年となると住んでいる方の高齢化などもあり、「マンション管理」に無関心だったのではないでしょうか?
自主管理は組合の高い意識があって成立するものですが、総会や理事会が全く開催されていないことから、区分所有者の方の管理への意識は低かったように見受けられます。
そもそも、管理会社がついていれば、理事会がないということは考えられません(もしも管理会社がついていたのに理事会がなかったのであれば即見直しをすべきですね)
自主管理、かつ区分所有者の方たちがマンション管理に無関心であったとすると、問題が起きやすい状況にあったことは想像に難くありません。
マンション管理の重要性
新聞で取り上げられているのは「理事長による管理費の横領」ですが、このマンションはきっと他にも多くの問題を抱えているのでしょう。例えば、マンションの清掃状況はどうか、修繕工事は適切に実施されているのか、今後の大規模修繕計画はあるか、修繕積立金の予算はあるのか、などです。
マンションの管理は業務の幅も広く、また必要な知識も多岐にわたり、扱う金額が大きいです。
この事件は自主管理と推測していますが、管理を任せているのであれば、
「安心して管理を任せられる管理会社に管理を任せること」
は非常に重要なことだとつくづく考えさせられます。