マンション理事会インタビュー 、管理会社の見直しを振り返って
管理会社見直しのきっかけ
−−早速ですが、管理会社を見直ししよう、変更しようと思ったきっかけから伺ってもよろしいですか?
本木様:)現行管理会社が頼りなかったんで(笑)。
−−この頼りなさって言うのはどの辺りで感じました?
篠田様:)全てですね。元々、組合員からの評判はよくなかったんです。いつでしたっけ、フロントマンが変わったのって。
本木様:)1年前だね。
篠田様:)ちょうど今の前任者の退職ってことで、フロントマンが変わったんですよね。そのフロント交代直後に運悪く大きな漏水事故がおきちゃって。その時の対応がものすごい悪くて、それが決定的でした。
本木様:)おおきな漏水事故だったにも関わらず、管理会社が来たのは漏水2日目の夕方なんだよね。それで来たのはいいんだけど、その後の会社への報告されていなくて。会社への報告がされたの漏水事故の2ヶ月後だったんですよね。
−−そうなんですか!その対応はひどいですね。漏水はマンションでも大きな事故の1つなんですが。
篠田様:)そうですね、本当にすごい漏水で。2階から水が漏れてて、そこにコンベクターあるじゃないですか?あれってセントラルヒーティングにシステムになっていて、温水で全館巡ってるんですよ。漏水した時期は9月だったので、セントラルヒーティングは止まっていたんですが、水は入ってて。その状態で配管の一部が破たんして、そっから水がドーっと出てですね。
本木様:)丁度ね、その日に理事会があったんですよ。終わってきたら、なんかこう玄関とか水が出てるんです、チョロチョロチョロと(笑)。管理人から「何だろう」って電話かかかってきて入ったんです。これ何か壊れてるんじゃないの?と思って、ソーッと問題の部屋に入ってこうみたらですね、ザーーーーーーってなんかもう、目を疑いましたよ一瞬(笑)。
篠田様:)すごかったです、一昼夜ずーっともうザーーですからね。
−−それが2日後にこられても。さすがに怒りますね、今でこそ笑い話ですけど。
篠田様:)当時は全く笑えなかったですね(笑)。
佐々田様:)幸いうちのマンションには住み込みの管理人がいたので管理人に助けてもらいました。でもまだその頃は管理会社も一体で取り組んでくれている、って思ってたんですよ。
本木様:)思ってたんですよね、我々はね。一生懸命やってくれてると思ってたんですけどね。
佐々田様:)それが結局何も会社には通してなくて、2ヵ月後ぐらいにそれが発覚して。そういうのが管理会社の見直しのきっかけですね。
修繕工事の水増し請求が発覚
本木様:)あとは修繕工事。マンションの修繕って、いろんな工事を発注するじゃないですか?細かいこととか。今までは工事の内容なんて細かくチェックしてなかったんですけど、私が理事長なってから、専門委員会を作ったんです。居住者の中に国交省に勤めてる人がいて、その人がチェックをし始めたら、なんかおかしいってなって。
水増し請求っていうか、工数のところで上増ししたりだとか、素人にはわからないように細工されていたみたいです。
佐々田様:)結局その我々が見ても、わからないような項目で水増しだったんですよね。項目としてはあったんだけど費用が計上されているから、それが適正かどうかは素人がみてもわからないですね。これとこれが、なんか実は2重なものだったりとか、同じような意味合いのものが入っていたとか、あったんですよね。
本木様:)一応、メモを残していたんですよ。こういう事が【旧管理会社】の問題なんだということで。トラブルになった時のために書いといたほうがいいのかなと(笑)、思いつくためままにメモしてました。
有料コンサルティングサービスを利用しなかった理由
−−管理会社の見直しをしよう、検討しよう、と理事会で議題になったのかなと思うんですが、最初に行った手順みたいなものがあれば教えてもらえますか?
本木様:)佐々田さんからメールもらって。なんかMacbeって会社があるよって。
佐々田様:)結構気軽な気持ちでもし変更するんだったらこういうのもあって。僕はMacbe良さそうかなと思って。サービスは無料でしたし、とりあえず声をかけて見るだけだったら、色々な事例もあるでしょうし。
−−「管理会社 変更 見直し」などのキーワードで検索すると、有料コンサルや一括見積サイトがあるんですけど、そういうのを選ばずに当社を選んでくれた理由ってありますか?
佐々田様:)費用かけてまで必要なのかって議論があって。費用かけるとなると組合への説明とか契約とかも必要となってくる。そういったコストをかけずに、まずはそのざっくばらんに相談できそうな所と思って連絡しました。
−−管理組合様の費用負担が不要というところが良かったんですね。今回私の感覚だと、マンションの戸数に関して、理事の方が多かった印象がありますが、リプレイスに向けて特別委員会なども立ち上げてたんですか?
本木様:)いや、特にないですね。ただ、先ほどお話した修繕専門委員の方には管理会社からのプレゼンに出てもらいました。
管理会社の見直しで苦労したこと
——見直しを進めていく中でをしていく中で大変だったこととか、困ったこととかって特にないですか?
篠田様:)進め方もわからないし、まあそもそも、何を基準に管理会社を選んでいいのかっていうのが、こんなことやったことないんで、基準を設けるのが難しかったですね。
本木様:)そうだね。
篠田様:)進め方はMacbeさんに手伝ってもらって。基準については本木さんに評価表をつくってもらったんですよね。
本木様:)そうだね。私がなんとなく作って、それを他の理事と専門委員にも見てもらって、3回こうモディファイして、質問書みたいなのが出来たんですよ。Macbeさんからもらった管理会社の比較表も役に立ちました。
−−今回は【新管理会社】が内定されたわけですが、内定の決め手を教えてもらえすか?
本木様:)まずはフロントマンの1人当たりの担当平均管理組合数が少なかった。それは大きかったですね。それからその前に出てくる人っていうか、担当者の方皆さん含め、現場の事をよくわかってくれている。単純な営業とかフロントだけじゃなくて、しっかり建築の所の事もよく知っているので、質問した時に即答してくれるんですよね。そこは大きいのかなっていう風におもいましたね。
篠田様:)そうですね。
本木様:)あとは、プレゼンで話してくれた内容が地味でしたどすごく良かったですね。自分たちのことをよく考えてくれていた。
<見積もり比較表の簡易版>
−−後で【新管理会社】と話していたら、できるだけ分かりやすいように、契約内容が変わるところは赤字にして提案資料作ったとおっしゃっていました。そういう丁寧さが響いたのかもしれないですね。
管理会社を変更したことによるメリット
管理会社を見直して良かったなと感じることってありますか?まだ引き継ぎ期間中なのですが。
篠田様:)まだ始まってないですからね。なんとも難しい質問ですね。
本木様:)でも【新管理会社は】積極的ですよ。まだ契約始まってないのに色んな提案をしてくれる。
佐々田様:)現時点で【旧管理会社】と【新管理会社】で明らかに違うなというのは、法的観点からきちっと意見を出してくれる。そう言う所からも信頼できるって思います。
−−管理についてはどんな提案をしてくれますか?
本木様:)一番大きいのはセントラルヒーティングですね。これが壊れてしまった。もともと必要なのかって議論もあって、今度の臨時総会で廃止の案を上程するんですよ。その代替案を探してきてくれて、それを説明会みたいにしてくれてやってくれる。
——確かにこれネックでしたね。今回の見直しに向けて紹介させて頂いた管理会社様もすごい困ってました。
本木様:)それと、今提案してくれてるのはカギの管理。管理規約にはないんですけど、各戸の専有部の一部のカギを管理室で預かっているんですよ。ただ去年カギが無くなったとかいってちょっと問題になってですね、責任所の所在がどこにあるんだって言う事になって。【旧管理会社】との管理委託契約の中には鍵のことは入ってないですし。
見直しのタイミングで今後どうする?って言う話になった。【新管理会社】からは、それは一回やめて、アルソックを利用したサービスに切り替えようかって提案もしてくれている。
−−このカギの管理は、築年数が経過しているマンションでは問題になってるケースが多いですね。今は管理会社はカギの管理は受けてくれませんから。
佐々田様:)管理会社も昔は預かってくれてたんですよね。いつだったか、管理会社がカギを開けて悪さをするような事件がクローズアップされて、それで預かんないって言う事になったんだと思うんですよね。
管理会社変更の臨時総会について
−−マンションの管理会社を見直す臨時総会に関しては問題なく承認されましたか?
本木様:)なんかいろんなことがあってよく覚えてないんですよ。でも、よかったよかったで終わりましたよ。
佐々田様:)結果的には問題ない話ですけど、管理人さんはちゃんと引き継いでっていうことは改めて言われたことですよね。
−−そうでしたね。「管理人は引き続き継続すること」が管理会社変更の第一条件でしたね。では、今は無事終わったということですね。引き継ぎはいかがですか?
本木様:)引き継ぎね。【旧管理会社】のほうがなかなか動かなくて、先日やっと色んな書類がそろって。一応それも無事に終わりそう。
−−書類が出てこないっていうのは引継ぎでよく聞きますね。紛失、本来あるべき書類がどこにもないとか、契約書もないっていうケースもありますから。
篠田様:)そこまで杜撰ではなかったです。契約書はちゃんとありましたね。ただ何も整理されていなかった。
−−引継ぎに関して、理事会や理事長が間に入って対応した事項などはありますか?
本木様:)あんまりないですね。議事録とかねそのへんは対応しましたけど。引き継ぎは【新管理会社】と管理人で対応してくれている感じですね。今回は管理人は継続してくれているので。
本木様:)具体的に困ってる事はないんですけど、【旧管理会社】が動いてくれなくて。それによって【新管理会社】と管理人さんに迷惑かかってるのは確かで、そこはすごい気になりますね。
佐々田様:)【旧管理会社】の方はもう書類引渡しするもの全部出したし、すっきりしたは顔してましたけどね(笑)
これから管理会社を見直しされる組合様に向けて
−今後管理会社の見直しを検討されている管理組合様向けにアドバイスがあればお願いします。
篠田様:)うちみたいなケース。つまりフロントや管理会社への不満で見直しするケースがやっぱ多いんですかね?
−−問い合わせはやっぱり、管理会社やフロントマンの対応、体質に疑問があるっていう所から相談がスタートすることが多いですね。
本木様:)そうでしょうね。その担当のフロントマン変わる前の人はすごい良くやってくれてたんですよ。何だけどその人別の管理会社に移っちゃって、結局一生懸命やろうとしても評価されていなかったのかも知れない。
佐々田様:)そうかもしれませんね。前のフロントの方について言うと頑張ってくれてたんですよね。
本木様:)改めて思ったんですけど、何か気になることとか、腑に落ちないこととかあったら、相談するのがいいなと思うんですよね、Macbeさんとかね。相談したほうが絶対道が開けるというか、我慢してる必要ないですからね。高いお金払ってるんで(笑)
−−そうですね、その通りだと思います。あのリプレイスという言葉であったり管理会社を変更できるっていう事はご存知でしたか?
本木様:)6年ぐらい前でしたっけ?うち1回変えてるんですよね。だから管理会社を変更できるってことは知っていました。
佐々田様:)グループ会社で作って管理してって言ったら、ちょっと変えられないのかな?って思う人もいるかもしんないですね。
−−当社を利用してよかった点とこんなところ改善してほしいって点を教えていただけますか?
本木様:)まずよかったのはレスポンス早かったっていうことです。
佐々田様:)一応このタイミングに管理会社、変更できましたもんね。
本木様:)最初は「時間的に厳しいかもしれない」というお話を堀さんからお聞きして心配していたんだけど、管理会社に色々と口きいていただいて、いろんな調整と段取りをしてもらって。それは本当に感謝しています。
−−ありがとうございます。あとこんなところを改善してほしいっていう所はありますか?
本木様:)改善点ではないんですが、一番最初に、いくつか紹介してほしいと言った会社を断られたじゃないですか?それはなんでだろうな?と当時は思ったんですよ。でも断らたその後かな?東洋経済かダイヤモンドかちょっと忘れましたけど。
いい管理会社悪い管理会社みたいなその一覧が書かれている本が出てきて。その当時堀さんに断られた理由と同じことが本にも書いてあって。結果的にはそこは紹介してもらわなくてよかったなと。堀さんを信頼して良かったと思ってます。
篠田様:)今回無事管理会社を変更できてよかったと思っています。
佐々田様:)そうだね。
−−そうですね。今回は皆様の管理会社の変更が無事完了できて、私たちも嬉しく思っています。この度はインタビューありがとうございました。
今回インタビューに答えた頂いたのは東京都港区のメゾン高輪の理事会の皆様です。理事長の本木様は本業で公認会計士をされていらっしゃるのですが、忙しい中合間を縫って対応いただきました。ありがとうございました。
※インタビューの中の管理会社名は伏字にしております