マンションのコンシェルジュについて!管理人との違いやこれからの課題

マンションのコンシェルジュ

タワーマンションには必ずと言っていいほどついている「コンシェルジュ」。今回はマンションのコンシェルジュの仕事や管理人との違い、コンシェルジュの必要性、そしてこれからのコンシェルジュの課題について考えてみていきます。

目次
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マンションのコンシェルジュの仕事とは

まずはコンシェルジュの仕事について整理していきます。タワーマンションのコンシェルジュの仕事には、主に以下のものがあげられます。

  • 共用施設(ゲストルーム・パーティールーム等)の予約受付
  • クリーニングや郵便の取次
  • 近隣地区のサービス案内(タクシーの手配・デリバリーサービスの案内・病院の案内等)
  • マンションの一般的な案内(来客用向け、エレベーターの場所の案内等)
  • 日常の挨拶(基本的に受付窓口からは離席しません。)

コンシェルジュと管理人の仕事は何が違うの?

ではコンシェルジュと管理人(管理人の中でも責任者の地位にある者を本文では所長と呼んだりしますが、ここでは明示的に管理人に統一にします)の仕事は何がどう違うの?と思う方も多いと思います。

管理人の仕事についても整理してみます。管理人の仕事には主に以下のものがあげられます。

管理人の仕事

  • 工事業者の案内(共用部)
  • 管理人の管理指導(清掃管理等)
  • 建物の劣化診断(通常月次の目視点検)
  • 植栽の点検
  • 共用部の清掃状況のチェック、廊下階段の傷み汚れチェック
  • 水道電気管理(水道メーターチェック、電気点灯チェック及び電球交換等)
  • 工事業者の紹介(専有部での不具合に対して、水道業者や電気業者を紹介する業務)
  • 引っ越し業者との日程調整(他の工事と重なっていないか、来客用駐車場の空きはあるのか等)

理事会運営する管理人も

管理会社によりますが、タワーマンションの規模になりますと、フロントマンが都度訪問する形ではなく、管理人が理事会や委員会を纏めて、フロントマンは総会のみ来る仕様も多いです。

全てを管理人に任せる仕様になっていて、理事会の議事録素案提出や議案書作成もするケースがあります。

コンシェルジュよりも管理人の仕事の方が圧倒的に多い

コンシェルジュと管理人の仕事を比べて頂けるとお分かりの通り、圧倒的に管理人の仕事の方が多いのが現実です。

立場としても、所長及び管理人は、管理会社の社員(所長クラスとなるとパートの可能性は低く、ほぼ正社員のです)であることが一般的であるのに対して、コンシェルジュは管理会社の下請けとして仕事をしているケースがほとんどとなります。

また、コンシェルジュは清掃を一切しません。作業着を着て、なにかお手伝いをするといったこともありません。

当然ではありますが、お洒落な制服を着て、来客が来た時にエレベーターの場所等を案内したりすることが主な業務になりますので、基本的にフロントにいる必要がありますし、さっきまで清掃していた人間が、私はコンシェルジュですという感じでフロントに立たれても、ゴージャス感に影響を与えます。

コンシェルジュにも管理人に勝る部分はもちろんあり、礼儀作法、立ち振る舞い、言葉遣い等は所長より丁寧になる傾向はあります。所長はあくまで管理員(技術的な人)とフロントマン(事務的な人)の間の人となりますので、技術に近い人が採用されている場合は、良く言えば親しみやすさ、悪く言えば無礼な方もいます。

コンシェルジュは必要なのか?

コンシェルジュと管理人のどちらにも良い面悪い面が存在します。しかし、ここまで読まれた方の中には、「コンシェルジュって不要では?」と感じられた方もいらっしゃると思います。

それは当然のことで、普通のマンションには存在しないポストとなりますので、居ても居なくても基本的には困りません。

タワーマンションにコンシェルジュがいる理由

そんな、居ても居なくても困らないコンシェルジュという仕事。なぜタワーマンションに存在するのかと言いますと、高級感の演出の為です。

デベロッパーも、コンシェルジュ付きのマンションのほうが、タワーにふさわしい高級感を演出することができます。

またタワーマンションの高層階に住む人は富裕層と呼ばれる方が住んでおり、ホテルに住んでいるような生活を求めています。その為、普段は必要なくても居たら便利なコンシェルジュ付のマンションであってほしいのです。

お洒落な制服を着てフロントに存在して、来客があった時に挨拶をしてお迎えをしてくれる。頻繁に来客がある訳ではなくても、来た時には最高のおもてなしとラグジュアリーな気分を味わえるようにタワーマンションにはコンシェルジュが付いているのです。

マンションのコンシェルジュ、これからの課題

コンシェルジュその人件費も制服も全て入居者の負担となっています。つまり管理費から支払われています。タワーマンションの居住者で管理費を減らしたいと思っている方からすると、外したい存在かもしれません。

購入直後では、管理費にも修繕金にも余裕がある為、問題にもなりませんが、築年数が経過するにつれ、マンションのお金にも余裕がなくなった時、どんな議論が交わされるかというのはコンシェルジュ付きマンションの今後の課題となりそうです。

記事監修

マンション管理士:古市 守(ふるいち まもる)

管理会社変更をはじめとするマンション管理組合のコンサルティング、管理計画認定制度支援や事前審査担当、自治体のマンション調査、マンション管理コラムの執筆・監修などで活動。

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