フロントマンに聞いた!管理費削減のポイント
マンションを購入すると必ず支払わねばならないランニングコストがあります。
管理費の中でも管理会社に支払っている経費のことを管理委託費と言いますが、皆さんが日々暮らしているマンションでは、管理会社に対してどれ位の管理委託費を支払っているかご存じでしょうか。
管理費は、管理会社の発行している月次報告書や総会・理事会資料に、その内容や金額が明記されているはずですので、これを確認するのはさして難しいことではないでしょう。
しかし、その内容や金額が適正なのかどうかを判断するのは、比較対象がないと、難しい作業です。
管理費が高いということで、値下げ要求を検討される管理組合様も増えています。
管理会社側のフロントからすると、値下げの交渉は嬉しい話ではありませんが、管理組合側にしてみれば、お金は生活に直結することですので、気持ちは分からないわけではありません。
では管理費の話をしようとする場合にはどのようにすれば管理費が下がるのかその方法をご紹介します。
管理費と管理員業務
管理費には、明細として「管理員業務費」「清掃業務費」「建物・設備管理業務費」などたくさんの項目が載っています。
このうち、管理員さんは管理会社側の最前線として、マンションで日々お仕事をされることになります。語弊のある言い方かもしれませんが、四面楚歌の状態のもと、孤軍奮闘している状態と言えなくもありません。
管理員さんは、マンションにとっても重要な存在で、「頼りがいのある良い人」がご自身のマンションの管理員であってほしいと誰もが望むことでしょう。
また、日々、顔を合わせる存在ですので、気持ち良く仕事をしてもらうというのが基本であり、現状の管理員さんが良い方の場合、管理員業務費に手を付けるというやり方は、しこりが残る可能性もあり、良いやり方とは言えません。
また、清掃業務費についても同じ理由から、ここに手を付けるやり方は良い方法とは言えません。
管理費を削減するポイント
それでは、管理費を削減しようとする場合、どこに手を付けるのが良いかと言うと、「建物・設備管理業務」「事務管理費」です。
一口に「建物・設備管理業務」と言っても、貯水槽清掃業務や消防設備点検業務、エレベーター点検業務など、実に様々な業務を管理会社は行っています。
管理会社も協力業者にこれらの業務を発注しているケース多いので、管理会社を間に介して支払う必要があるのかどうかというのが、一つのポイントになります。
特に、貯水槽清掃業務などは、年1回の法定業務でしかありませんので、これを管理委託業務の中から外して、管理組合と業者との直契約の業務としても、大して管理組合の業務が増えるということもありません(お知らせなどは業者が作って各戸に配布するなど、あらかじめルールを確認しておく必要はある)し、管理会社のマージン分は確実に削減させることはできます。
また、エレベーターの点検業務なども、最近はリモートコントロールによる点検の技術が進歩していますので、メーカー系のメンテナンス会社の場合、以前のように毎月1回マンションにやって来て、実際に点検作業を行うということは少なくなってきています。
この点検も管理組合にとっては、業務の負担が少なく、しかし、このメンテナンスに要する費用は馬鹿にならない費用がかかっているはずですので、直契約にすることにより管理費の節減効果が期待できます。
ただし、すでにスケールメッリトを生かして安い金額で対応しているケースもあるのでその点はご注意ください。
そして事務管理費です。この事務管理費とは管理費の徴収や支払などの業務、理事会の運営会費などに利用される項目なのですが、ここは管理会社の裁量で削減できる項目なので、この項目の削減も期待できます。
管理費を削減するには
削減のポイントをご紹介してきたのですが、実は管理費を削減する簡単な方法があります。それは複数の管理会社から見積りを取る事です。
削減といっても冒頭申し上げた通り、比較対象がないと難しいものですが、複数の会社から見積りをとれば比較となります。
そして他の管理会社が低い見積りを提出してきた場合、リプレイス(管理会社を変えること)されてしまう可能性もあります。
当たり前の話ですが、管理会社は、管理費を削減されることを非常に嫌がります。がそれ以上にリプレイスを嫌がりますので、管理費を下げざるを得ません。
見積りを取ることは一手間かも知れませんが、会社に声かけをして見積りを取られると管理費はぐっと下がる可能性があります。
管理会社との関係
管理会社との関係が順調なときには、削減の話は起きにくいのかもしれません。ぎくしゃくしているときに、関係を見直したり、関係の引き締めを図る道具として利用することも効果的な方法と言えます。