熱海編〜リゾートマンションの物件調査
熱海といえば温暖な気候に温泉というイメージはありませんか?
熱海にもリゾートマンションは建設されており、古いものは築50年を超えています。一方で新たなタワーマンション「ザ・クレストタワー熱海」も建設されており、中高年の方に一定の人気があるエリアとされています。
では、この熱海エリアのリゾートマンションは今どのような状況なのでしょうか。
熱海のリゾートマンションの状況
熱海のリゾートマンションも他のエリアと同じように販売価格が100万を切るものが多く、毎月の管理費や修繕積立金が高い、資産でなく負債となっているであろうマンションが多く存在しています。
差別化を図るリゾートマンション
最低販売価格のマンションは、1974年6月築、48平米の1LDKのマンションで価格は10万(坪単価0.6万)です。
販売価格の10万円に対し、毎月の管理費・修繕積立金の合計が56,200円となっています。さらに維持費として、固定資産税、水道・光熱費が必要になり、それら概算で加えると、毎月約6.5万円ほどの維持費が掛かります。
マンションの販売価格を毎月の維持費が1.5ヶ月で上回ってしまうことになります。
そして、このマンションの㎡あたりの月額管理費と修繕積立金は以下の通りです。
管理費:1596円/㎡ 修繕積立金:392円/㎡
都市圏では管理費は㎡あたりの単価が200円を超えれば高いとされるため、このマンションの管理費は高すぎるように見えます。
ただし、このマンションは他の物件と違い1日3食の食事が管理費に含まれています。食費込みの管理費のために割高なのです。
このマンションは老人ホームのような形態をとっており、一般的な分譲マンションとは差別化をしています。
資産価値を維持するリゾートマンション
熱海エリアの最高販売価格のマンションは、1993年3月築、バルコニー付き4LDK、190平米のマンションで価格は9000万(坪単価155.8万)です。
苗場や湯沢など他のエリアでこの価格を維持しているマンションは他にありません。価格に見合うだけの設備が実装されており、毎月の管理費・修繕積立金の合計が152.000円とかなり高額に設定されています。
このマンションの㎡あたりの月額管理費と修繕積立金は以下の通りです。
管理費:586円/㎡ 修繕積立金:213円/㎡
管理費はかなり割高です。それはリゾートマンションならでは設備があり、その維持費と考えられますが、高すぎる管理費は削減を検討する必要があります。下記のリンクでリゾートマンションも管理費を削減する方法を紹介していますので、よければ参考にしてください。
参考リンク:リゾートマンションの管理費
修繕積立金は若干ではありますが、修繕積立金ガイドラインの推奨価格である200円/㎡を上回っています。
このマンションは築23年ですが、価格を維持しており他の部屋も同じように高価格です。リゾートマンションはすべて資産価値がないと思われがちですが、このように資産価値を維持しているマンションもあるようです。
熱海のリゾートマンションのこれから
熱海市の統計情報を見ると、年々人口は減り続けており、平成24年には4万人を下回りました。この先も人口の減少は続くと見込まれています。
そのような中で、差別化を生かしたマンションもあれば、資産価値を維持するマンションもありますが、多くのマンションは他のリゾートマンションと同じように、高い維持費が問題による投げ売り価格で負債となって苦しんでいます。
また現在は資産価値を維持できているマンションも、人口が減っていくなかでそれをどこまで維持出来るかは何とも言えません。
多くのマンションは年間の維持管理費だけで100万円近くかかります。
熱海は新築マンションが分譲されているエリアとは言え、リゾートとして所有するには慎重に検討する必要があります。