100万単位で差がつく!知っておきたいマンションの2つの売却方法
マンションを所有されている方は、仕事や家庭の事情、時には一戸建てへの買い替えなどの理由でマンションを売却する事もあるかと思います。
古本やゲーム、古着でもそうですが、中古品を売る時には1円でも高く売りたいのが本音。特にマンションの様な高額な商品では、売り方によっては100万円単位で差がつく事もあります。
本章では、少しでも高くマンションを売却するためのポイントをお伝えしていきます。
マンションの売却方法には2種類ある
マンションの売却方法は大きく2つに分類されます。それが「仲介」と「買取」です。
それぞれに、大きなメリット・デメリットが有るので、まずはそこから押さえておきましょう。
仲介のメリット
まず、「仲介」ですが、これは「不動産業者に自分のマンションの売却を依頼する」という事です。
つまり、「私のマンションを買う人を探してください」と不動産業者に依頼することで、中古車でも稀に「売却委託車」と言うものが有りますが、あれも似た様なものです。
不動産売買の世界では、この「仲介」で売却することが主流となっており、近所の不動産業者や、購入した不動産業者に、売却のお手伝いをしてもらう流れとなります。
この売却方法の大きなメリットは、以下の3つが有ります。
・価格を自分で設定できる
・相場通りの価格で売却が出来る
・買い手が決まるまで、住み続けることが出来る
やはり、一番大きいのは「相場通りの価格で売却が出来る」ということ。
間に不動産業者が入るので手数料は必要ですが、基本的に個人対個人の契約になるので、2000万円の価値のある物件は、そのまま2000万円で売却することが出来ます。
また、買い手が決まるまで住み続けることが出来るのも大きな魅力です。
しかし、デメリットもあります。
仲介のデメリット
仲介と言うのは、「買い手を探してもらう」という所がポイントなので、買い手が見つからないという可能性もあります。
不動産業者に依頼をするときは3か月の期間を設けて買い手を探してもらうのですが、3か月で売れるときもあれば、半年たっても全く売れない事もあります。
売れるか売れないかは、依頼する不動産業者の営業力や、物件の持つ魅力、売却価格など様々な要因が考えられます。
いずれにしても、すぐに現金が欲しいという様な場合は、思う通りの結果にならない場合もあります。
買取のメリット
もう1つの売却方法の「買取」は、仲介とは正反対のメリット・デメリットが有ります。
まず、買取のメリットですが
・すぐに現金で買い取りをしてくれる
という所が非常に大きいです。
どのタイミングで決済をしてくれるかは、買取業者によって異なりますが、早い所であれば、査定当日に決定し、翌日に現金を用意して決済してくれる所もあります。
買取のデメリット
不動産買取業者は、買い手を探すのが商売ではなく、買取で仕入れて、利益を乗せて再販することが目的です。
その再販価格が相場価格となるので、どうしても買取価格は相場より安くなってしまいます。
また、すぐに契約〜決済となる為、退去もすぐにしないといけません。
基本的に買取業者は広告などで「高価買取」と謳うものの、1円でも安く買いたいので(利益が大きくなる)、業者によって大きく買取価格が異なることもあります。
なお、ある不動産買取の経験談で、1800万円で売れる物件を800万円で買い取った事例も聞いたことがあります。右から左に流すだけで、1000万円の利益です。(諸費用はこの際考えずに・・・)
普通に買取業者に相見積を取れば、もっと高い金額で買い取る業者もいたはずです。
ですので、買取を依頼する業者を間違うと、大損してしまうのもこの買取のデメリットでもあります。
また、買取は仲介で売るよりも安くなることを理解した上で、物件の相場が幾らくらいなのか、しっかりと把握しておくことも重要です。
買取業者は、買取→再販で利益を上げているので、相場より安く買われてしまうのは仕方がありません。
それでも「すぐに現金が出に入るならそれでいい」と割り切ることが大切です。ただし、相場と比べ余りにも安すぎる買取価格を提示する買取業者には注意が必要です。
どちらの方法で売るにも、複数業者に査定させることが必須
このような事から、不動産を売却するときは「仲介」だろうと、「買取」だろうと、複数の業者に査定の依頼をすることが必須です。
友人や知人、以前お世話になった業者という様な馴れ合いの生じる関係の所に依頼してしまうと、「安く査定しても他の業者に行くことは無いだろう」と、足元を見られてしまう事もあります。
大手・地元密着の複数の業者(3〜4社)に査定をさせる事が必要です。
「仲介」の場合は、相場が売値となるので、業者によって価格の差はそんなに出ないと思うので、「どうやって売るのか?」「どのような広告展開が出来るのか?」「見込み客はいるのか?」という所が、判断基準になってきます。
売却を依頼した不動産業者が単独で買主を見つけてきて仲介を成立させると、売主と買主双方から仲介手数料を受領することが出来、それが業者の利益となります。
しかし、買主を見つけてきたのが違う不動産業者の場合、売却を依頼した不動産業者は売主からしか手数料を徴収することが出来ません。
そのため、売り物件を囲い込んで他の業者に売らせない「囲い込み」をする仲介業者もありますのでご注意ください。
「買取」の場合は、とにかく買取価格です。
色々と文句を付けて安く買い取ろうとする業者もいれば、良心的な高価格を付ける業者もいます。
また、複数の業者が買取の見積もりに入ることで、価格のつり上げも発生してくるので、特に「買取」の場合は絶対に複数業者の見積もりを取りましょう。
早く売りたい気持ちは、業者にも、買主にも足元を見られる
不動産業者に言わせると、マンションの売却を急いでいる人ほど、足元を見られます。
正直、これはマンションの売却に限らず、どんなことにでも言えるのですが、お金に余裕が無かったり、時間に余裕が無いと、どうしても相手が優位に立ってしまいます。
例えば「仲介」で売却を進めている場合、早く売りたいという気持ちが出てしまうと、買主からは値交渉をされますし、売主側も「これを逃したら・・・」と言う気持ちになって、予定外の価格で了承してしまいがちです。
「買取」にしても同じです。
前項でも書いたように、不動産業者は1円でも安く買い取りたいので、売主の懐事情を良く観察しています。室内の家具や身なり、言動などで金に困っているかどうかは、大体は読めてしまうものです。
少しでも隙があると、
「今この場で契約してもらえるなら●●●万円で明日即金で買い取ります!」
という風に一気にクロージングしてしまいます。他の契約と異なり、不動産の売買契約となると、そうそう簡単に解約できないので、契約さえしてしまえばそれまでです。
そのため、「仲介」だろうと、「買取」だろうと、いずれにしても早く売りたい気持ちを見せないように心がけましょう。
「欲しいなら売ってあげるよ」くらいの気持ちを持っていてもいいかもしれません。
しかし、あまりにもそんな態度を取りすぎると、不動産業者も相手にしてくれなくなることもあるので、そのあたりのバランスが大事です。
まとめ
この章では、マンションの賢い売却方法として、「仲介」と「買取」についてお話しさせていただきました。
どちらの売却方法にも、メリットとデメリットが介在し、落とし穴もあります。
まずは、なぜマンションを売る必要があるのか?を基準に考えてみましょう。
「すぐにでも手術費用が必要」とか、「保証人になった借金の返済に追われている」なんていう場合は、多少安くとも、買取で現金化してしまった方が良いですし、時間に余裕が有り、少しでも高く売りたいなら仲介一択です。
また、査定を依頼するときも、絶対に1社だけの話を聞かない事です。例えそれが友人や知人であっても、複数の業者に依頼をしましょう。
より良い不動産売却が出来る事をお祈りいたします。