管理会社の変更に関するアンケート調査
分譲マンションを購入すると必ず管理組合へ加入しなければなりません。
そしてその管理組合の仕事として、マンションの管理があり、今日では多くのマンションが管理業務を管理会社に委託するという形態を取っています。
管理会社に管理を委託することはごく一般的なことなので問題がありません。ただ中には、管理を委託している管理会社に対して不満をもっている管理組合も存在しており、管理会社を変更したいと思っていたり、実際に管理会社を変更している組合もあります。
そこで今回は分譲マンションに暮らしている方に対して、管理会社の変更についてアンケート調査を行いました。
【質問1】管理会社を変更できることを知っていましたか?
マンション管理は分譲したマンションのグループ会社、もしくは関係会社が管理会社に任されます。そのため、まずは『管理会社を変更できることの認知度』について調査しました。
管理会社の変更の認知度についておよそ6対4の割で思ったよりも多くの方に認知されているとことがわかりました。マンションに住む方の2人に1人は知っていることになります。
中には変更できることは知っていても「マンションの管理会社は変更してはいけないもの」と思っている方もいらっしゃいます。しかし変更すること自体は実は何の問題もありません。
むしろ、変更することで生まれるメリットもあります。
【質問2】管理会社を変更するとどんなメリットがあると思いますか?
管理費が下がる・・・39%
管理の質が向上する・・・12%
管理費が下がり、管理の質が向上する・・・5%
なし、わからない、その他・・・44%
「管理会社の変更にはどのようなメリットがあると思いますか?」についても質問してみました。
4割の方は管理会社を変更すると、管理費が下がるメリットがあると認識されています。また数は多くはないですが、「管理の質が向上する」と回答いただいた方が12%、「管理費が下がり、管理の質も向上する」と回答いただいた方は5%でした。この中には、
"管理会社を変更することで、管理レベルを落とさないで管理費が安い管理会社を選べる"
というコメントもありました。ひょっとするとこの方は、過去に管理会社の変更をされていたのかも知れません。
実際、管理会社を変更することで年額管理委託費を3割近く削減できることも珍しくはありません。そしてこのコメントにあるように、質を落とさずに削減することが可能です。
4割近くの方からは、「変更によるメリットはない、わからない」という回答でしたが、管理会社を変更することで管理費は削減でき、管理の質をあげることができますので、ぜひこのアンケートを機にメリットを知っておいてください。
【質問3】管理会社の変更で管理費が削減できるなら、管理会社を変更しますか?
管理費が削減できるなら、管理会社を変更したい・・・229人
管理費が削減できても、管理会社を変更したくない・・・212人
その他・・・59人
次に管理費の削減と管理会社の変更にフォーカスして質問しました。
「その他」の回答を除けば、管理費が削減できるなら管理会社を変更したい、管理費が削減できても変更したくない、の回答は半々でした。では、なぜ管理費が削減できても、管理会社を変更したくないか?その理由については以下でした。
管理会社を変更したくない理由
・現在の管理費も含めて管理会社に満足しているから。不満はないから。
・問題点を含め内容を熟知しているので変えにくい。
・変えた管理会社が本当に良いかどうかを判断するだけの能力に欠ける。
・長年担当してもらっているので信頼がある。
・価格だけでリプレイスすると管理の質を下げる可能性がある。
・管理費以外の条件も確認する必要がある。
・管理会社をリプレイスするのが面倒である。大変そうである。
・管理組合の了解を得るのが大変そうだから。
・管理人が良い方だからリプレイスで変えたくない。
・そこまで金額に差がでるとは思えないから。
多かったのは「手間である」、「面倒そうである」、「それほど差があると思えない」といった保守的な意見でした。
管理会社を変更するメリット
確かに管理会社の変更は、主体的に行う理事会にとっては大変だと思います。
しかし、仮に年間200万円の管理費を削減できれば、10年間で2000千万円となります。決して少ない額ではありません。
もしも管理会社の変更を検討する機会があれば、手間や面倒と言わずに、是非前向きに取り組んで頂けたらと思います。
その他に頂いた意見の中には、
「管理費の削減だけでなく、管理の質も見極める必要が有る」
「コスト削減も大事だが総合的に判断する必要がある』
といった慎重な意見もありました。これはその通りで、マンションの管理を改善するために管理会社を変更するのに、安いだけの管理で質が落ちては本末転倒だからです。
なお、「長く付き合っている管理会社だからマンションのことをよく知っている」という意見もありましたが、これは注意が必要かも知れません。
なぜなら、長く管理しているからといって必ずしもマンションのことをよく知っているわけではないからです。
それよりも、修繕工事の履歴がしっかりと残っているか、過去の理事会の議事録が残っているか、といった管理の面もしっかり確認する必要があります。
【質問4】管理会社の変更にコンサルを利用しますか、理事会主体で進めますか?
管理組合(理事会)主体で進める・・・433人
コンサル会社を利用する・・・41人
その他・・・26人
管理会社の変更を専門に行うコンサルティング会社があります。最後にコンサルを利用するか、それとも管理組合(理事会)主体で進めるかを調査しました。
コンサルを利用するとの回答は1割に満たない数でした。反対にコンサルティング会社を利用せず自分たちで管理会社の変更を行うとの回答が8割以上を占めていました。
マンション管理の主体は、本来は管理会社やコンサルではなく、管理組合です。8割以上の方が管理会社の変更にコンサルは不要であり、自分たちで行うという回答であったのは良い事だと思います。
まとめ
マンションアンケートの調査はいかがでしたしょうか?
このアンケート調査を集約すると以下の2点です
・管理会社の変更については認知されている方が多いが、二の足を踏んでいる方も多い
・管理費を削減することは歓迎だが、質は下げるべきではない
管理費が高いマンションには誰も住みたくないはずですし、修繕積立金が足りないマンションに暮らすことはとても不安です。ただ、だからと言って安いけれど、管理の質が低いマンションでは困ります。
こういった問題を解決するための方法として管理会社の変更がありますが、それは手段であって目的ではありません。
本当に重要なことは管理会社の変更をした結果、安心して暮らせるマンション管理を実現していくことではないでしょうか。