マンション管理のチェックポイント

マンションの管理会社は、ここ数年合併統合を繰り返し、超大規模化している会社と、細々とやっている会社の2極化が進んでいます。今後独立系の小規模管理会社が生き残っていくのは、スケールメリットと人材の問題で、難しいのかも知れません。

今回はマンション管理費の削減でなく、マンション管理のチェックポイントについて、小さな点ですが、3つご紹介していきます。

目次
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1:日常清掃が行き届いているか

日常清掃の頻度は、管理委託契約書に記載があるので、一度確認することをお勧めします。ただし、例えば共用廊下の清掃回数が週4回と記載されていても、全ての共用廊下を週4回すべて清掃する前提とは限りません。

その他の清掃箇所として、1階エントランスホールやエレベーターホール、エレベーターの籠内、外構部分の清掃、ゴミ出し等以外に広範囲に及ぶので、200戸のマンションに、清掃員が2人しかいない場合、全ての共用廊下を毎回清掃するのは、業務量からいって不可能です。

この場合、最初から、各階の廊下は、週2回清掃するという設定になっていたりします。

共用廊下がきちんと清掃されているかどうかのポイントは、排水路のドレイン(水の落とし口)がきれいかどうかを見てみるとよいでしょう。枯葉などに常に覆われているようだと、きちんと清掃されていないかも知れません。

2:定期的な設備点検はされているか

マンションは、各種点検や特別な清掃作業を定期的に行っていますが、居住者に在宅してもらい、住戸内に立ち入らないとできない作業に、消防設備点検と排水管清掃があります。

消防設備点検は、最近のマンションでは、火報の点検は、各住戸玄関のインターホンで確認できる場合もありますが、バルコニーに避難タラップが設置されている住戸は、これが非常時に稼動するか確認するため、年2回必ず立ち入り点検しなければなりません。

一方、排水管清掃は、住戸内のキッチン・お風呂・洗面台・洗濯機パンの排水口に高圧洗浄をかける特別な清掃で、雑排水管の詰まりを予防します。ディスポーザーが設置されているマンションでは年1回程度、ディスポーザーが設置されていないマンションでも3年に1回程度の頻度で予定されているはずです。

これらの設備について定期的な点検がされているかは、管理の上で非常に重要なポイントです。

なお、この作業を別々の日程で実施すると、居住者は年に、2日間拘束されることになります。気の利いたフロントマンなら、これを同じ日に設定して、居住者が拘束される日数を減らす努力をしてくれたりします。

3:管理員について

マンションの管理員は、マンション居住者の生活をサポートする重要な役割を担っています。マンションの規模によりますが、日常清掃を兼務している場合、専任の管理員一名の場合、専任の管理員が複数名でローテーション勤務している場合があります。

管理員は、それまで勤め上げた会社を、定年退職して、再就職して勤める方が多いと思います。このため、年齢は60歳を超えた方が中心となります。

清掃以外の主な業務は、居住者対応・点検等立会い・理事会役員や管理会社フロントマンへの不具合等の報告事といったことでしょうか。管理員が、きちんとしているかどうかを確認できるポイントを2つ挙げます。

1つ目は、管理室が整理整頓できているかです。これは、管理室の窓口から、チラッと覗いてみれば一目瞭然です。全体的に片付いていないとか、上着を脱ぎ散らかしていることがあると、改善した方がいいでしょう。

2つ目は、掲示板の掲示物が整理できているかです。 掲示物が曲がって掲示してあったり、半年前の掲示物が理由も無く掲示しっぱなしの状態であれば、これも改善した方がいいでしょう。

業務をしている姿が見えなくても、業務の実施状況を確認するということは重要なことではないでしょうか?

直接声をかけてみる、管理会社に相談してみるのも一つの手です。

マンションにお住まいの方は、マンションの管理上、何かいつも気になるということがあれば、一度管理組合や管理会社に相談してみましょう。

その指摘により、改善がなされると、住みやすいマンションとしての価値がひとつ上がるのではないでしょうか。

記事監修

マンション管理士:古市 守(ふるいち まもる)

管理会社変更をはじめとするマンション管理組合のコンサルティング、管理計画認定制度支援や事前審査担当、自治体のマンション調査、マンション管理コラムの執筆・監修などで活動。

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