マンションの修繕積立金の値上げに関するアンケート調査
修繕工事はマンションにとって非常に大切なもので、適切な修繕工事が実施されなければ、住みよい住環境を維持できず、マンションの劣化が進んでしまいます。
必要な時期に、必要な箇所に修繕工事を実施することは管理組合にとって大切な仕事であり、マンションの修繕は、特に大規模修繕工事は、非常にプラオリティが高い問題です。
しかし、修繕工事はそれだけ大事なものであるにも関わらず、多くのマンションでは修繕積立金が不足しており、実に潜在的なものも含めれば9割のマンションは修繕積立金が不足していると言われています。
そのため、10年サイクルでの一時金の徴収や、修繕金を値上げするなどして対応をして、必要な工事資金を捻出しています。
では、本当に大多数のマンションは赤字になっているのでしょうか?修繕積立金の値上げという観点での修繕積立金の不足について調査しました。
修繕積立金の値上げの有無について教えてください
すでに修繕積立金が値上がりした、または一時金の徴収があった、もしくはその両方・・・122人
将来修繕積立金が値上がりする、または一時金の徴収がある、もしくはその両方・・・96人
修繕積立金は値上がりしないし、一時金の徴収もない・・・134人
わからない/その他・・・148人
『修繕積立金が値上がりした、もしくはする』という回答は500人中218人でした。
約4割のマンションでは修繕積立金が足りない状況が発生している、もしくは発生していた、ということです。
反対に『修繕積立金の値上がりも一時金の徴収もない』との回答は26。8%となっています。
計画なので100%の保証はすることはできませんが、少なくとも現時点では修繕積立金の不足は発生していないという事です。
本来はこうあることが望ましい形です。
このようなマンションはおそらく管理も行き届いていると思いますし、住民の方にとって安心なマンションといえると思います。
残念なのは、自分たちが所有するマンションの修繕積立金が上がるのか、そのまままのか「わからない」という回答が3割弱あることです。
どうしても無関心になりがちなマンション管理ですが、所有しいている以上、自分の貯金と同じだと思いますので、興味を持っていただけると良いと思います。
こういった情報は総会に参加したり、総会議事録を確認することで決議の内容は確認できます。また過去の議事録は管理人室においてあるはずです。
ちなみに、『修繕積立金が下がった』という回答はありませんでした。
修繕積立金の値上げ、一時金徴収に対して、何か対応を実施していますか?
この質問の回答で圧倒的に多かったのは「何もしていない」でした。
ただ、「何をして良いのかわからない」ということもあると思います。そこで、対応していると回答頂いた方の対応事例を紹介します。
修繕積立金の値上げ対策
- 電力料金を値上げして対応・ケーブルテレビの料金を値上げして対応
- 電気の一括受電
- マンション管理費の削減
- 修繕工事/修繕内容の見直し
- マンションの住民で検討委員会を組織して議論してる
動き出さなければ何も変わらないため、参考にしていただけると幸いです。
このアンケート調査の中で、「大規模修繕工事の不足が明らかになり、修繕積立金を5倍に値上げした」という回答もありました。これは明らかに長期修繕計画ミスだと思われます。
管理会社のミスだと責めたとしても、必要な資金なしでは工事ができないため、足りないものは捻出しなければなりませんが、簡単には受け入れらない金額です。
5倍の値上げは稀なケースですが、この調査では少なくとも4割のマンションで修繕積立金が不足していることがわかっています。
ぜひマンションの管理に興味をもって改善に取り組んでいただけたら幸いです。