マンション総合保険の値上げについて
マンションには「総合保険」といって共有部を一括して補償する火災保険があります。
マンションで暮らす方々、管理費を収める方々にとっては嬉しくないニュースですが、この「マンション総合保険」の保険料が2015年10月からまた改定されます。つまり保険料が値上がりします。
どの程度値上げされるかは、加入している保険内容、保険会社、保険期間によって変わります。
そのため、場合によってはそれほど上がらない可能性がありますが、反対に今の倍近くに保険料が跳ね上がる可能性があります。
保険料が跳ね上がるのは、概ね20年以上経っているマンションです。
古いマンションほどリスクが高いとみなされるため、保険料はマンションの築年数の経過と共に上がっていき、保険料改定率も同様に築年数が経っているマンションほど高いのです。
また3年契約や5年契約などの長期保険に加入している場合、3年前、5年前と比べて5倍以上になるケースもあるようです。
管理組合がマンションにかける保険と8つの値上げ対策でも紹介しているのですが、長期保険の場合、最初に一括して契約期間分の保険料を払わなければなりません。
仮に保険料が5年前の2倍になっているとしたら、5年前の計画で積み立てていては、半分しか保険料の金額が貯まっていないことになります。
そのため、銀行などの金融機関では、5年分の保険の貸付を行うサービスも存在しているようです。
保険料を下げることはできないのか?
これは日新火災海上保険の新たな取り組みですが、日本マンション管理士会連合会のマンション管理士がマンションの管理状況を診断して、その診断結果によって保険料を割り引く「マンションドクター火災保険」というサービスを2015年7月から提供開始しました。
マンション管理士は14項目でマンションの管理状況を評価するとされています。具体的な評価項目は日新火災海上保険のサイトには明記されていませんでしたが、必要な資料は以下のように明記されています。
<診断時に必要な資料>
- 管理規約、使用細則等の細則集
- 長期修繕計画
- 総会議事録
- 管理委託契約書
- 工事報告書
- 特殊建築物等定期調査報告書
- 竣工図書一式
- 消防用設備等点検結果報告書、結果総括表
- 保険金請求書類一式
- 診断内容確認書
(https://www.nisshinfire.co.jp/mansion_dr_kasai/about-service)
おそらく、マンションの修繕の履歴、これからの計画、設備点検の履歴、マンションの運営状況等、建物のハード面だけなく、理事会運営などのソフト面もチェックをするのでしょう。
マンション総合保険と管理費について
普段意識しないマンションの総合保険ですが、不要な補償などがついて高くなっている可能性がります。何かをきっかけに見直してみるのもよいのではないでしょうか。
見直しにより、月額管理費は下がるかもしれません。
さて、この保険料の改定は2015年10月から始まります。
長期契約をしていて、数ヶ月以内に契約が切れる場合、管理会社の担当フロントマンからは連絡はありましたか?もし連絡があったのならば気がきくよいフロントマンではないでしょうか。
反対に連絡がなかった場合、決して良くないとは言えませんが、忙しいフロントマンなのかもしれませんね。