フロントマンに聞いた!管理会社との上手な付き合い方

理事会運営を円滑に進行していくには、マンションの管理会社の協力は欠かせません。この場合の管理会社とは、特に担当のフロントマンのことを指します。

管理会社との上手な付き合い方とは、理事会として、担当フロントマンに「いかに自分たちの管理組合のために仕事をしてもらうか」ということだと思います。

フロントマンは、理事会に毎回参加して、司会進行・議事録の作成・アドバイス等を行います。また、会計報告や業務報告も行います。これらは、管理組合と管理会社で取り交わしている管理委託契約書に明記された業務なので、これを実施するのは当たり前です。

ただ、理事会での議題によっては、この管理委託契約書に明記していないことを、手伝ってもらいたい場面も出てくことがあります。例えば、マンション居住者の親睦を深めるためのコミュニティイベントを開催することなどが、それに当たります。

個々のフロントマンの考え方にもよりますが、マンションの居住者の方々に自分を知ってもらう機会と捕らえ、積極的に手伝うフロントマンもいれば、「契約業務外なので、それは理事の皆さんでお考えください」と回答するフロントマンもいるはずです。

こういった業務は、理事会からのお願い事なので、手伝ってもらえなければ、諦めるしかありません。そもそも親睦イベントは居住者のためのものなので、自分たちで実行していくことが本筋でもあります。

その他、今までは手伝ってきましたが、理事会のメンバーが変わったことを機会にとか、何回か手伝って軌道に乗り、フロントマンが手伝わなくてもイベントの開催が可能となったため、もう手伝わなくても大丈夫と考えている場合もあります。

それでも引き続き手伝ってもらいたい場合、理事会メンバーが変わるときは、引継ぎ会を開くと思いますが、その時に管理委託契約書に明記していないけれど、これまで手伝ってもらっていた業務を確認しておくといいと思います。

同時に、管理委託契約書の内容を理事会メンバーで確認しておきましょう。

理事の方は意外と目を通していないのが現実です。

時間があれば、管理規約も一読することをお勧めします。総会・理事会で会計報告をしていても、「駐車場収入は、管理会社の収入だと思っていた」という呟きを耳にしたこともありますので。

そして、新理事会とフロントマンが最初に同席する1回目の理事会などで、「この業務は契約外だけれど、これまでも手伝ってもらっているから、今期もよろしくね」と言ってしまえば、フロントマンも、新理事会のメンバーの心象を最初に悪くすると新役員の任期の間、仕事がやりづらくなると考え、受けてくれる確立は上がるはずです。

分譲マンションの管理業務で厳しい部分は、折角1年掛けて、業務をきちんと遂行し、理事会の方々の信頼を得られ、気心が知れたころに、理事会メンバーが総入れ替えとなり、また翌期は最初から人間関係を作っていかなければならず、毎年それの繰り返しをすること(組合によっては、2年任期や、1年毎半数入れ替えなどもありますが)になります。

親睦イベントを例に挙げましたが、これを実施したいという要望は、どこのマンションでもあがります。理事会で検討した結果、実施できるマンション、できないマンションはありますが…

一昔前は、近所付き合いをしたくないからマンションを買ったという人も多かったものですが、マンションにお住まいの方々も、東日本大震災以降、近隣との繋がりを求め、困ったときは助け合いたいという考え方に間違いなくシフトしています。

話を戻しますが、フロントマンは、理事会メンバーと良好な関係を保ちたいと常に考えています。迅速に仕事をこなした時、良い提案をした時などは、感謝の言葉を掛けてあげると、フロントマンも人の子なので、その管理組合のために、業務に万進してくれるはずです。

記事監修

マンション管理士:古市 守(ふるいち まもる)

管理会社変更をはじめとするマンション管理組合のコンサルティング、管理計画認定制度支援や事前審査担当、自治体のマンション調査、マンション管理コラムの執筆・監修などで活動。

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