中古マンション売却時のポイント!高く売るためにできること
「子供の成長に伴い部屋が手狭になってきた」「子供が独立したのでもう少し小さな部屋に引っ越したい」「転勤が決まった」そのような生活スタイルの変更からマンションを売りに出される方は少なくないはずです。
そして、マンションを売りに出す際は誰しもが少しでも高く売りたいと思います。
そこで今回は不動産業者に聞いたマンションを高く売るためのポイントについて紹介します。価格の算出方法、不動産業者が見ているポイント、価格を下げずに売るためのポイント、そしてやってはいけなことをご紹介します。
マンションの価格算出を知る
中古マンションを売却するときの価格の査定は様々な方法が有るのですが、特に現場で利用されている価格の算出方法は主に2通りあります。
まず1つは、「成約事例から算出する」方法です。
不動産業者は、インターネットで全国の不動産の売買成約の事例を確認することが出来、その情報には「成約日」「成約価格」「物件の情報」が記載されています。
その過去の事例から、「住所」「築年数」「広さ」「設備」「間取り」「階数」「リーフォーム履歴」などを比較して価格を算出します。もう1つは、「賃貸で貸した時に家賃がいくら取れるか?」を基準に考える方法です。
近隣や類似物件で成約事例が無いような場合は、その部屋を貸した時の家賃を仮定し、地域の平均的な不動産投資の利回りを設定することで、適正な売却価格を算出します。
ここで重要なのは、これら2つの価格の算出方法は、あくまで客観的に、データ重視で売却価格を算出しており、部屋をどう使っていたのか?という様な細かい所は一切加味されません。
ポイントは査定で出た価格を出来るだけ下げずに売ること
不動産業者によっては、こまめに手入れをされているという様な事も加味して価格を算出するところもあります。しかし、綺麗・汚いで価格に大きな差はでません。
不動産業者からすると、次の購入者が自分好みにリフォームするかもしれませんので、最近綺麗に壁紙を張り替えたからと言って、何万円も査定をアップすることはあまり有りません。
それに、査定と言っても1万円単位で価格を出すことは無く、「2000万円くらい」と言ういい方をし、「先月壁紙を張り替えたばかりの様なので2020万円ですね」なんて事にはまずなりません。
この場合、壁紙を張り替えていようが、汚れていようが2000万円なのです。
(壁紙を変えているなら、「売れやすい」かもしれませんが、「高くなる」事は基本的にはあまり有りません。もちろん、ボロボロの部屋であればリフォーム済みで価格は変わってきますが・・・)
不動産業者にとっては、「売れやすい間取りか?」「人気の立地か?」「ペットは飼えるか?」という様な、入居者ではどうにもならない箇所が重要です。
綺麗・汚いというのは数万〜数十万円のリフォームや清掃でどうにでもなりますが、根本的なマンションの抱えている物(間取りや立地)は変えられない為です。
では、マンションを高く売る為のポイントとはどういう事か?という事になりますが、重要なのは「査定で出た価格を出来るだけ下げずに売る」という所に尽きます。
価格を下げずに売るためには
中古マンションを売却するときに、価格が下がってしまう原因はこの2つです。それは「しばらく売れていない物件」と「売主が売り急いでいる時」です。
1.しばらく売れていない物件
季節や景気、立地にもよりますが、基本的に適正価格で売り出されているマンションはすぐに売れるものです。
それが売れていないという事は、元々価格が高い(適正価格でない)可能性が高いか、マンションそのものの魅力が無いか、政治的・景気の事情でマンションの買い時でないか、そういった理由に行きつきます。
正直、このようなマンションになってしまうと、買う人が見つかるまで価格を下げていくしかありません。
しかし、それでは「価格を下げない」という事の解決にはなりませんので、敢えて高めに価格設定をしてみるといいでしょう。
相場が1500万円、不動産会社の査定も1500万円の中古マンションなら、最初に1700万円くらいで売り出し、依頼した不動産業者に広告の掲載をしてもらいます。
不動産の購入を考えている人は、頻繁にネットなどで情報収集をしていますので、1700万円で物件の存在を認知させ、「興味あるけどちょっと高いなぁ」と思う様な潜在顧客を集めます。
そして、徐々に価格を下げていき、当初の1500万円に持っていきます。
そうすることで、いきなり1500万円で売り出して、価格交渉をされるよりも、1700万円からの値下げでお得感を出し、交渉の上で1500万円と言うのは、同じ価格でも買主からすれば印象が大きく変わります。
2.売主が売り急いでいる時
この「早く売りたい」という気持ちが、マンションの価格を下げる最大の要因です。
売買契約なので、いくら買主から交渉されようと、売主が首を縦に振らなければ契約は成立しません。ですので、自分の納得できる価格で買う人が現れるまで、頑なに交渉を拒否する売主も多数います。
そういう売主に共通して言えるのが「別に急いでいない。」「売れるのが何時になってもいい」という事です。
想像してみてください。(手数料や諸費用は考えずに)今あなたが1000万円必要だとします。
相場通りの1000万円で売りに出しているマンションを、950万なら即決するという人が現れました。
足りない分の50万円くらいは、貯金を崩せば何とかなります。なので、950万円で売っても、必要な1000万円は用意できるわけです。
しかし、1週間後には1000万円で買いたいという人が“現れるかも”しれません。
でも、950万で買いたいという人をいつまでも待たせるわけにもいきません。
さて、値段を下げてでも売りますか?それとも1000万円で買う人を待ちますか?1000万円という価格は相場通りなので決して高くは無いんですよ?
・・・と、こういう事です。
不動産を売るという事は人それぞれ理由が有りますので、売り急ぐ人もいるかもしれませんが、この絶妙な判断が非常に難しいです。
また、買主や、買い側に付いている不動産業者もそのあたりをよく見ていますので、売主が売り急いでいるかどうかを見ながら、弱みに付け込んでくることもあります。
この辺りは、なかなか難しいとは思いますが、売却までの期間に時間的余裕を持たせることで、次の客を待つ余裕も出来ますし、ドンと構えて買主を待つことが出来ます。
高く売る為のリフォームはしない
稀に、「高く売りたいから部屋をリフォームした」という売主がいます。
前項でも述べましたが、「売れやすく」はなりますが、「高く売れる」わけではありません。もちろん、キッチンや浴室を新品にして未使用だ。と言うほどの物であれば、査定もアップしますが、その分売主もお金を払っています。
正直、売主が負担したリフォーム代金と同じだけ査定を上げることは期待できません。少なくとも保証することはできません。
なぜかと言うと、それを選んだのは売主のセンスであり、買主にとっては魅力に感じない可能性が有るからです。
そんな売主のセンスで交換した物に対して、なぜ買主がお金を払わなければならないのか?となるわけです。
リフォーム済みの物件で旨味があるのは、不動産業者が原価に近い値段でリフォームが出来、物件価格にリフォーム分を上乗せして、そこでも利益が得られるという「不動産業者が売主」の時だけです。
一般個人が売主の時は、「高く売る為にリフォームをする」と言うのはやらないほうがいいでしょう。もちろん、売主が内装職人で、原価でリフォームが出来るならその限りではありませんが、そういう方は少数派でしょう。
中古マンション売却のポイントのまとめ
以上のように、不動産の売買相場というのは大体決まっていて、それは自分の力ではそうしようもない所で価格が決まってしまいます。
その価格を上げようともがいても、金はかかるし、時間もかかり、その分の見返りは正直見込めません。
なので、マンションを出来るだけ高く売るには、「出来るだけ価格を下げずに売る」・「売る為にお金をかける事をしない」という逆転の発想が重要になります。
売りに強い不動産業者は、そういう安く売らない秘訣を知っているところも多いので、ぜひ相談してみる事をお勧めいたします。