管理組合で必ず確認したい 管理費の主な使い道と削減方法を4つ紹介

マンションに住む区分所有者(組合員)にとっては、管理費がどのような用途で使用されるのか、気になる方も多いと思います。

また、管理組合としても、用途を的確に把握しておく必要があります。

さらには、区分所有者から集めた貴重な財源なので、できることなら効率的に活用したいと考えるのが普通でしょう。

今回は区分所有者から集めた管理費について、おもにどのような用途に使用されるのか、さらにその中でも削減できるものがないのかを考えていきたいと思います。

目次
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管理費の用途にはどのようなものがあるのか?標準管理規約から確認

まず初めに、区分所有者が支払う管理費は、どのような用途で使用されるのか確認します。

具体的に、国土交通省が管理組合向け管理規約のひな形として出している、標準管理規約(単棟型)の条文を参考にしながら、管理費の用途を紹介します。

さらには、修繕積立金との関係、そして第27条における注意事項についても紹介します。

標準管理規約第27条(管理費)の内容は?

早速、標準管理規約第27条(管理費)の内容を確認してみます。

そこには、以下のような項目が並んでいます。

一 管理員人件費
二 公租公課
三 共用設備の保守維持費及び運転費
四 備品費、通信費その他の事務費
五 共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
六 経常的な補修費
七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
八 委託業務費
九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
十 管理組合の運営に要する費用
十一 その他第32条に定める業務に要する費用(次条に規定する経費を除く。)
※引用:国土交通省 標準管理規約(単棟型)より

第32条は、管理組合が行う業務の内容が並んでおり、そこに対する費用は管理費の用途として扱えるということになります。

ただし、次に紹介する修繕積立金との関係に注意する必要があります。

修繕積立金との関係は?

第27条第十一号にある「次条に規定する経費」とは、第28条(修繕積立金)のことを指しています。

修繕積立金に該当するのは、同様に条文から参照すると、

一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
三 敷地及び共用部分等の変更
その他、建替えやマンションを壊して敷地売却する際の費用
※引用:国土交通省 標準管理規約(単棟型)より一部加筆修正

がおもに該当します。

すなわち、上記の修繕積立金に使用される経費を除き、管理組合の業務に関する費用は、前項に紹介した第一号から第十号に至るまで、全て管理費から充当できるということになります。

第27条における注意点は?

標準管理規約の後半に「マンション標準管理規約コメント」として、各条項を解釈するうえでの、国土交通省のコメントが紹介されています。

とりわけ、第27条については、管理費の用途として地域コミュニティ形成に対する費用を挙げています。

理由としては、管理費はマンション管理に関する修繕積立金以外の用途に使用される必要があるためです。

一方で、地域コミュニティ形成は、場合によってはマンション管理と直結するものでは無い可能性も考えられます。

地域の防災活動やマンション周辺の美化や清掃、景観形成等であれば、マンションの資産価値向上とリンクし、管理費から使用しても区分所有者に対する納得感もあり、許容できる範囲内といえるでしょう。

しかしながら、任意加入が原則の自治会に対する自治会費として管理費から捻出することには注意が必要としています。

管理費の用途の中で削減できそうなものを紹介

続いて、前章で紹介した管理費の用途11項目の中から、管理組合としても削減できそうな項目を4つピックアップしました。

そして、それらの中で具体的に該当する例を紹介することによって、管理費用途のイメージをより膨らませながら紹介します。

第三号の共用設備の保守維持費及び運転費

保守維持費や運転費として、まず思い浮かぶのはエレベーターや玄関ドア、さらには水道用ポンプ等の保守点検費用でしょう。

とりわけ、エレベーターは法令に定められた定期的な点検が必要となります。

また、安全に動くことが非常に重要な設備であることから、法令に定められた以外のタイミングでもメンテナンスを行っている管理組合も多く見られます。

これらの保守点検についても、年間で積みあがってくれば相応の費用支出を強いられます。

そのため、点検業者の見直しや、適正な回数になっているか、または契約形態の見直しなど、他の業者と相見積もりを取得することで、費用削減ができないかを検討することも考えられます。

第五号の共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料

管理組合として比較的支出額が大きいのが、火災保険をはじめとした各種保険料です。

特に最近は保険会社からの保険料の値上げが顕著であり、負担を強いられている管理組合も多いようです。

見直しのポイントとしては、まずは合理的な金額になっているか、保険代理店各社から相見積もりを取得することでしょう。

合理的な判断のためには、必ず比較検討することが求められます。

また、マンション管理士の審査を受けることによって割安になる保険会社も存在しますので、そのような保険を検討することも一つです。

さらには、保険内容自体の見直しも重要なポイントでしょう。

マンション全体資産のうち、どれぐらいの割合で保険金を掛けるのかという付保率によっても、保険料はだいぶ変わってきます。

そして、管理組合の中には、本来は区分所有者の負担である、専有部分の賠償責任保険を管理組合の火災保険等の特約として付与している場合もあります。

管理組合としての方針次第ですが、このような視点を持つことによって、保険料の中からある程度管理費を効率的に活用するヒントが見えてきます。

第六号の経常的な補修費

日々の経年劣化に対するメンテナンスは、マンション管理においては欠かせないものです。

劣化が進行すれば、区分所有者としても生活しづらくなるうえ、マンション全体の資産価値にも影響することとなります。

一方で、都度補修をしていると、管理組合としても手間とコストが掛かってしまうこととなります。

そのため、まとめて実施できることは無いか、また保守点検費用や保険料と同様に、合理的な適正価格にするための業者間の相見積もりなどは必要不可欠です。

さらには、近い将来に大規模修繕工事を予定している場合であれば、そのタイミングに合わせることも考えられます。

大規模修繕工事によってまとめて実施することによって、個別で実施するよりもコストメリットが出てくる可能性も大いにあります。

第八号の委託業務費

そして、最後に紹介するのが管理会社や管理員に対する委託業務費になります。

すでに管理委託契約を締結してで管理会社に業務を依頼している場合は、すぐには金額を見直すことは難しいかもしれません。

また、管理会社としても人件費や事務所諸経費の高騰によって、管理組合に対する値上げの風潮も高まっています。

さらには、管理会社の方から契約終了を言われる管理組合も増えてきているのが実情です。

一方で、管理費の中では一番大きなコストとして占める管理委託費は、なんとか見直せないかと考えている管理組合も多いでしょう。

具体的な対策として考えられるのが、管理会社間で相見積もりを取得して、管理会社の変更を行うことです。

これによって、実際にこれまでと比較して管理の質を落とさずにコストを落とすことも可能です。

ただ、管理組合独自での実施は、ノウハウやリソースに限りがあることから難しいことも想定されます。

管理会社の変更を検討される場合は、当社までお問い合わせ下さい。

まとめ

今回は標準管理規約の管理費の条文の中から、管理費の具体的な用途を紹介しました。

今回紹介したのはほんの一部ですが、管理組合としてはさまざまな切り口で削減の可能性も考えられます。

中でも、一番大きな用途として占めるのが、管理会社に支払う管理委託費ですので、見直しにより管理の質を下げないコストダウンも可能です。

大半の管理組合は、できることなら管理費の支出を抑えて、余ったお金は修繕積立金に振り替えたいと考えていることと思います。

今回の内容を、是非管理組合におけるコスト削減のヒントにして頂ければ幸いです。

記事監修

マンション管理士:古市 守(ふるいち まもる)

管理会社変更をはじめとするマンション管理組合のコンサルティング、管理計画認定制度支援や事前審査担当、自治体のマンション調査、マンション管理コラムの執筆・監修などで活動。

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