マンションのコミュニティ形成のための7つのイベント事例
マンション内のコミュニティ形成を何とか実現したいという希望は多いもので、理事長や理事の方から、居住者の多くが参加可能なイベントの相談を求められることは多々あります。
そこで今回はフロントマンから聞いた、マンションコミュニティ形成のために行われたイベントをご紹介します。
1.ビンゴ大会
管理会社から管理組合の理事会に対して提案し、喜ばれたコミュニティ形成イベントの一つに、ビンゴ大会があります。ビンゴ大会の良いところは、準備が比較的楽なことです。
まず予算を決めます。その予算の中で、どのような賞品を幾つ用意するかの段階になると、意外に理事会で盛り上がります。理事会のメンバーに女性がいらっしゃったら、おしゃれなお菓子を賞品に選んだり、ワインだったり、男性の理事さんですと、プレミアムビールを選んだり、1等賞はブランド米だったり、千差万別ですが、とにかく皆さん楽しそうに意見を出していただけます。
参加する方々全員に配れる飲み物や、お子さん全員に配るちょっとしたお菓子の準備も必要です。これがあれば、子供たちは翌年も楽しみにしてくれます。
ビンゴ大会の開催の時期は、年末が望ましいと思います。11月や12月に開催すること多かったです。このイベントが終わると、年内の組合活動も一段落という風物詩となりえます。
しかしハードルが無いわけではありません。支出を伴うので、「管理組合の費用を使わず、参加する有志が費用負担すべき」などの反対意見が出てきます。そこを理事会が努力して乗り超えて、1回目を開催できれば、これほど好評なイベントはなかなかないものと思います。
個人的にはマンションはコミュニティですので、管理費から捻出するのがよいと思います。
実例として、100戸ぐらいのマンションで最初に開催したときは、ご家族単位でのご参加でもあったため、80名以上の参加者に恵まれました。ビンゴ大会の一番良いところは、老若男女に拘わらず、参加できることです。
参加いただいた方から「色々な人と初めて世間話ができて楽しかった」との感想も聞くことができました。 この管理組合様ではビンゴ大会は恒例となり、6年続けて実施されていますし、最大で120人に参加いただいたこともあります。
消費税の増税で、管理組合の予算が少々厳しくなったときに、中止を提案しましたが、「みんな楽しみにしているので、止めるわけにはいかない」とのご意見で、毎年続いています。マンションのコミュニティイベントとして機能しているよいイベントだと思います。
2.スイカ割り大会
これは、小さなお子さんが多いマンションでの事例です。ビンゴ大会より準備は大変ですが、夏前の時期であったため、管理会社から提案をしました。ただ、参加者は小さなお子さんがいらっしゃる世帯に限られてしまうため、理事会役員を中心として有志を募り、参加者の会費制にして実施しました。
有志で執り行うため、マンションの敷地の利用も控えた方がよいとのこととなり、近所の公園をお借りして(この手配は管理会社でお行いました)、行うこととなりました。理事会メンバーに、同学年に近いお子さんがいらっしゃる住戸が多かったことが、まとまった要因と推測されます。
子供たちの夏休みの思い出作りもかねたので、開催は8月の夏休みの時期でした。天候だけが心配でしたが、好転に恵まれ、最近では子供たちがすいか割をする機会も余り無いため、皆、大喜びでした。午前中のイベントでしたが、参加された、お父さん方も、子供用のビニールプールで冷やしたビールを満喫されていました。
コミュニティ形成の場としての役割は十分に果たせた会となったと思います。マンションは、色々な年齢や家族構成の方々がお住まいなので、今後は多くの方々にご参加していただけるものに発展していくことができるかどうかが、課題かと思います。
3.クリスマスツリーの飾り付け会
エントランスホールが広いマンションでは、クリスマスツリーを飾りたいという要望が出てくることが多いです。5万円ぐらいの予算があれば、高さ2mを超える、かなり立派なツリーを購入することができます。
クリスマスツリーの利点は1度購入すると10年ぐらいは毎年飾ることができることです。電飾や飾りが壊れることもありますが、その時は4~5千円で買い足します。
そう考えると、リーズナブルであるコミュニティ形成と方法と言えるのではないでしょうか。
クリスマスツリーを購入したら、飾り付け会を開催する流れになります。このときも、ネックになるのは、費用の問題です。飾り付け会に参加するのは、やはりお子さん中心となりますが、お菓子を配ろうと提案すると、管理組合の費用は使わず、有志でやるべきなどの意見が出てきます。
不思議とクリスマスツリーの購入自体を反対する声は聞いたことがありませんが…
クリスクマスツリーの購入は、女性の理事さんや理事の奥さんにお願いすると、良いものを探してきていただけます。
後は理事会の考え方で、管理組合負担でお菓子を用意する場合、有志でお菓子を用意する場合、お菓子は用意せず、飾り付け会だけ実施する場合に分かれます。個人的には、お子さんがお菓子を貰って、喜んでいる顔を見たいものです。
クリスマスの飾り付けも盛り上がる比較的よいコミュニティ形成の方法だと思います。
4.エレベータ閉じ込め体験訓練
地震の際にエレベーターでの閉じ込めが発生したとの報道がありました。エレベーターに乗っているときに、地震に遭遇した時に、冷静に対処するための訓練を提案し、好評を博しています。この訓練を実施するには、エレベーターのメンテナンス会社の協力が必要です。
最近エレベーターは、非常用のバッテリーを搭載しているため、エレベーターに乗っているときに、地震に遭遇しても、走行中のエレベーターの一番近い階に非常停止し、ドアが開いて降りることができるため、安全面の問題はそれほど心配ありません。
問題は、一度バッテリーを消費すると、充電に8時間~12時間程度かかるので、地震が何度も発生したときは、閉じ込めに合うことも想定はされるのです。
エレベーターのメンテナンス員がエレベーターに同乗して、居住者にも乗ってもらい、エレベーターの走行を途中で停めて、センターへの通報の方法等をレクチャーしてもらいます。
皆様興味があるためか参加が多く、特にこの訓練を実施すると、お母さんが、お子さんを連れて、よく参加されます。
5.AED訓練
マンションにAEDを設置したいというご意見が、多々発案されます。実際にマンションの共用部に設置する検討を進めるためには、一度、本当に使用できるか訓練してみることをお勧めしています。
この訓練には、消防署やAEDのレンタル会社の協力が必要となり、デモ機を持ってきてもらいます。
最初はなかなか皆さん、おっかなびっくりで、手を挙げてもらえません。「マンションに設置するということは、隣人やご家族に必要となった場合が想定されるのです。お子さんに必要になった場合を想定して、実地訓練をしてみてください」と即すと、やってみようという人が手を挙げてくまれます。
AEDは備えているだけは意味がありませんので、これは訓練としても、コミュニティ形成のイベントしても価値のあるものだと思います。
6.起震車訓練
起震車とは地震の揺れを再現できる機能をもつ車両のことです。これは、自治体によって、車両を自治体か消防署が所有しています。しかし市町村に1台か2台ぐらいしかないため、半年前には訓練の日程を相談しておかないと、なかなか借りる事ができません。
また、起震車は、重量もあるため、マンション敷地内に車両を止めるスペースがないと、来てくれません。近所に学校や公共施設が があれば、訓練場所の提供をしてもらえることもありますので、施設管理者に相談してみると、良いと思います。
プログラムで、関東大震災や新潟沖地震の震災も体験でき、地震時の行動の優先順位(ガス台の火を消すなど)の訓練することができるため、参加者も集まっていただけます。お子さんにも人気があります。
7.近隣避難場所ツアー
これは、各自治体がハザードマップを作成しており、保存食の保管場所や井戸水の出る場所、毛布の保管場所などが(公園や学校)記載されていますが、大抵1つの場所に全ては揃っていません。実際に災害が発生した時に、どの程度の時間で、それらの場所にたどり着くことが出来るのかを、試してみるツアーです。
これは、各自治体がハザードマップを作成しており、保存食の保管場所や井戸水の出る場所、毛布の保管場所などが(公園や学校)記載されていますが、大抵1つの場所に全ては揃っていません。実際に災害が発生した時に、どの程度の時間で、それらの場所にたどり着くことが出来るのかを、試してみるツアーです。
お子さんも参加されるので、安全確保のために、道路を横断するときなどは、理事会役員では人数もたりないため、ボランティアも募ります。
大抵は片道30分程度ですが、これを実施しますと、移動の大変さを実感していただくことができ、皆さん、災害時用に1週間分の非常用の食料、飲料水を備えるように意識改革していただけるため、なかなか有意義なコミュニティ形成のイベントであると思います。
ご紹介したイベントはいかがでしたでしょうか? コミュニティ形成にはできるだけ多くの居住者にご参加いただきたいと考えますが、まず、お子さんが喜んで参加してくれるイベントとすることが、参加者を増やすコツだと思います。