マンションの自主管理とは
マンションの管理形態には幾つかの種類があり、マンションの管理形態は、「全部委託」「部分委託」「自主管理」の大きく3つに分類することができます。 今回は、マンションの自主管理について考えてみていきます。
マンションの自主管理とは
マンション管理会社に全管理業務を委託する『全部委託方式』と対極に位置している管理形態が、自主管理方式と呼ばれる管理形態です。
高経年マンションに多く見られる管理方式で、10%弱の管理組合で採用されていると言われています。 文字通り、マンションの居住者(本当は区分所有者という呼び名が正しいのですが、イメージを思い浮かべやすくするため、ここでは「居住者」と呼びます)で何から何までを共同で管理する方式になります。
管理費の徴収やら日常の清掃まで、決められたときに決められたことを居住者全員で行います。 居住者全員でマンションの管理を行うことが基本になりますので、居住者のコミュニケーションが非常に重要です。
自主管理がうまく機能しているマンションは、マンションがコミュニティとして機能しているいい例です。反面、マンションコミュニティの中で孤立してしまうと、住み心地の悪いマンションになってしまうでしょう。
そして、自主管理の最大のメリットは、管理費を安く設定できることにあると言えるでしょう。
ただし、その反面、自分たちでマンションを管理運営していかなければなりません。日々のマンションの管理だけでなく、修繕計画などについてもすべて管理組合主体で対応しなければなりません。
マンションの自主管理のこれから
自主管理という考え方は、自治という点でマンションライフの基本であると言えるでしょう。 しかし、現実問題として、日常、他に仕事を抱えているにも関わらず、マンションの管理の業務までやらなければならないのは時間的な面でも大変ですし、専門的な知識も必要になるため、自主管理を継続していくことは難しいでしょう。
特に定年を迎えられた方が管理を行う事例を最近では耳にします。体が元気なうちはよいのですが、世代交代をうまくできるかという問題もあります。
また、居住者の全体の高齢化により、マンション管理を円滑に進めること自体が難しくなるケースもあるでしょう。 管理が個人であるがために、理事長や会計担当者によるマンションの資金の着服といった問題が発生してしまうようなこともあります。広島の自主管理と思われるマンションで理事長による管理費の横領事件もありました。
中古で分譲された方は自主管理のマンションでは堅苦しさを覚える可能性もあります。何より、自主管理のマンションは資産価値という点では、管理会社による管理でない分、低く設定されているケースも多々あります。
自主管理という管理方式はこれからどんどん減っていく傾向にあるといえます。
マンションの自主管理を見直すのなら
当社は管理会社の変更による管理費の削減を提案しています。自主管理の場合は、管理会社の変更ではなく、管理会社への委託となりますが、もし自主管理のマンションが管理会社へ管理業務を委託した場合、管理費を削減することはまずできないでしょう。
なぜなら、前述の通り、自主管理の最大のメリットは管理費が安いということだからです。
そのため、管理費を削減することは出来ませんが、管理会社に委託することで、管理の質を向上させることができると当社は考えます。
長期修繕計画を立てしっかりと修繕金を積み立てていく、理事会のメンバーが交代しても変わらないマンション管理を行う、など、管理の質を向上させることで安心して暮らせるマンションになっていくはずです。
もし、自主管理を見直したいというお考えてであれば、管理費ではなく管理の質がどう変わるのか?居住者の方と認識を合わせていくことが重要になってくるのではないでしょうか。