毎月のマンションの管理費〜賃貸と分譲の違い
賃貸マンションを借りる場合でも、分譲マンションを購入して所有する場合でも管理費は毎月必ず発生します。
そして管理費はマンションの清掃・メンテナンスのため支払うとされており、管理費を払わなくていいケースは管理費の価格が0円という場合のみです。
この毎月支払う必要がある『管理費』、実は分譲マンションと賃貸マンションでは中身が違っているのをご存知でしたか?
賃貸と分譲の管理費の違い
分譲マンションの管理費
分譲マンションを購入すると購入した住戸の所有者となります。
住戸の所有者は『区分所有者』と言われ、区分所有法という法律により、マンションの区分所有者による管理組合の設立と組合員になることが義務付けられています。
管理組合には管理規約が存在しており、その規約の中で、管理費をどのように徴収し、何の目的で利用するのかが明記されています。
そして国交相から発表されている標準管理規約に準拠していれば、管理費は住戸の持分比率に応じて支払うと明記されています。
つまり所有する住戸によって支払わねばならない管理費は決まっており、その利用用途も決まっています。
賃貸マンションの管理費
賃貸マンションの場合、賃料と管理費・共益費は別々に記載されているケースがありますが、実はこの管理費・共益費には分譲マンションの管理規約のように決まった用途はありません。
※「管理費・共益費」は法的に明確な区別はされていないため、管理費と共益費は同意義です。
つまり賃貸マンションの管理費は名目上、分譲マンションと同じ管理費ですが、管理費の使用用途や金額はオーナーの裁量次第です。
賃貸として部屋を貸し出すオーナーとしては賃料と管理費・共益費の総額が収入になるので、賃料が10万で管理費・共益費0円でも、賃料9万円と管理費・共益費1万円、でもどちでも構わないのです。
賃貸マンションの場合は管理費はオーナーの収入の一部なのです。
なお、賃料と管理費・共益費を分けて記載しているのは2つの目的があります。
1つは分けて記載することで安く見えるから
・家賃9万8000円 管理費2000円
・家賃10万
どちらが安い印象を受けますか?このような心理的な目的があります。
もう一つの理由は検索のため
最近は「管理費を家賃に含める」という検索が方法がありますが、家賃だけで検索をした場合に検索結果に表示されやすくなるからです。
管理費は値下げすることができるのか?
前述の通り分譲マンションと賃貸マンションでは全く性格が違うため対応方法もことなります。
賃貸の管理費の値下げ
賃貸の場合、個人でその部屋を借りる契約をしています。そのため契約主と直接交渉すればいいのです。また管理費ということに焦点を絞らず、家賃も含めた金額で値下げ交渉すればいいのです。
なお、嘘か本当か、真偽のほどは定かではありませんが、家賃よりも管理費のほうが値下げしやすいそうです。
一度交渉してみてはいかがでしょうか?
分譲マンションの管理費の値下げ
分譲マンションは賃貸と違い、管理費の値下げは簡単にはできません。なぜなら、管理規約で管理費の用途や徴収額を定めているため、「個人が誰かと交渉をして値下げできる」というものではありません。
管理費を下げるには規約を変えなければならず、規約を変えるには管理組合の承認が必要です。
管理費が余って仕方ないのであれば、管理組合の承認も得られるでしょうが、マンションの財源は限られており、余剰があるということはあまり考えられません。余剰があったとしても、修繕積立金に振り返るケースが多いです。
個人としての管理費の値下げは難しいのですが、管理組合として利用している管理費の削減はできます!
その方法についてはマンション管理費の効果的な削減方法と削減事例で詳しく述べています。
まとめ
分譲マンションの管理費は管理組合の資金源ですが、賃貸マンションの管理費はオーナーの収入源です。
分譲マンションで管理費が0円の場合、管理組合にはマンションの清掃・維持メンテナンスをするためのお金が全くないことになります。
賃貸の場合は管理費が0円であっても、賃料に管理費が含まれていると考えればいいのです。
例えばの話ですが、分譲マンションで管理費が0円なら、廊下の電球が切れても管理組合は電球を買うことができません。なぜなら管理費がないのでお金がないのです。
一方、賃貸であれば管理費は0円でも問題はありません。
マンション一棟を所有するオーナーであれば廊下の電球はオーナーが費用負担してくれるでしょう。分譲マンションとして購入した住戸を賃貸として貸し出している場合(分譲賃貸)であれば、借主から得た賃料で、住戸のオーナーは管理費を管理組合に支払うのです。
このように賃貸と分譲では、毎月支払っている管理費としての名目は同じでも実質違うのです。
マンションを購入する場合、管理費の用途について理解しておいたほうがよいですが、賃貸の場合はとくに意識しなくても問題ありません。
賃貸の場合は「管理費がいくら」ではなく総額いくらかかるかが重要ですね。