リゾートマンションで横領!総額11億7800万を理事長が着服!
新潟県の大型リゾートマンション「ツインタワー石打」で管理組合の前理事長(68歳)の公認会計士の男性が管理費・修繕積立金を着服するという事件がありました。
1998年に男性が副理事長だったかころから、管理費・修繕積立金の着服をしており、過去16年で総額11億7800万円の横領をしたことが発覚しています。
こういった横領事件は何度も繰り返されていますが、ここまでの大きな金額は聞いたことがなく、マンション管理に関しては過去最大級の横領事件です。
前理事長は株やFXなどの投資に利用してに利用しており、利益を上げて返済するつもりであったが、損失が大きくなり、返済できなくなったために自ら管理組合に打ち明け、この横領事件が発覚しました。
現在の状況
横領の総額は11億7800万円ですが、2016年に1月の訴訟時点は約7億円がすでに時効であったようです。
現在は、この前理事長の財産である不動産や投資用口座を抑えて約2億円を回収していますが、それでも、時効を迎えていない4億円の残額について回収できていません。また時効を迎えてしまった7億円は戻ってきません。
ツインタワー石打は594戸の大型リゾートマンションです。もし取り返せないのであれば、一世帯あたり約127万円の管理費・修繕積立金が時効で失われたことになります。
管理組合はこの男性を訴えていますが、すでに68歳であり、金額的・年齢的に考えても返済能力があるとは思えません。
なぜ横領は発生したのか?
このマンションは自主管理のマンションではなく、管理会社に管理を委託していたようです。過去16年にわたって横領が行われていたことから、この管理会社の管理体質に疑問を感じます。
管理費・修繕積立金の不審なお金の流れに気づくことはなかったのでしょうか?
年一回の総会では必ず決算書類が添付され、収入・支出を科目ごとに確認できます。また残高証明も添付されます。この前理事長は残高証明を改竄していたようですが、これほどの金額が横領されて気づかないというのは杜撰すぎると言わざるとえません。
本来分別管理されるべき、印鑑と通帳も理事長が保管していたことについても疑問です。
過去の発生している横領もこの「分別管理」がされていないために発生しています。
大手の管理会社でもフロントマンによる横領事件は発生しています。しかし、その場合、会社が責任を持って管理組合に返済をします。
この場合、理事長個人による横領ではありますが、管理会社にも一旦の責任はあるのではないでしょうか?
管理組合は機能していたか?
ニュースを見ると10名以上の理事会メンバーがいたようですが、管理組合も監事も機能していなかったと言えます。
しかし状況を考えると、公認会計士の前理事長に対して、意見をするのは難しかったのではないかと思います。監事や理事会メンバーの中に、この前理事長と同等の知識がある方がいれば別ですが、そうでなければ会計業務は理事長が主体的に行っていたのではないでしょうか?
「理事長の独断で誰も意見が言えない」と言う相談も過去に頂いたことがあります。
リゾートマンションの場合は地域の人間関係やしがらみもあるでしょう。
どうすれば防げるのか?
こういった横領を防ぐには、物理的にその状況が起きないようにするしかありません。つまりは印鑑と通帳を分別管理することです。
複数の人間がぐるになって事件を起こす場合はまた別の対策が必要ですが、この事件は前理事長が一人で起こしており、管理組合の預金口座から前理事長の口座に送金する術がなければ防げたのではないでしょうか?
毎月、各区分所有者は管理費、修繕積立金を支払い、積み立てているのです。
それを私欲で失くしてしまう、このような横領事件には非常に憤りを覚えます。