マンションの管理組合と総会とは

マンションの管理組合と総会

マンションを所有すると必ず「管理組合」のメンバーになります。

マンションのルールを定める法律『区分所有法第三条』にて、

「 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする」

と規定されており、この団体が管理組合です。

「組合」という言葉のイメージから参加自由と印象を受けますが、実はそうではありません。

マンションに区分所有者が2人以上いれば、上記の法律により自動で成立し、自動的にそのメンバーになります。また区分所有者である限り、管理組合から脱退することはできません。

そのため、他人事ではないという高い意識を持って理事会に協力することがマンション管理の質を高めることに繋がって行きます。

目次
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管理組合のルールを規定する管理規約

管理規約とはその名が示す通り、快適な住環境を維持するために作られたマンションで暮らすためのルールです。

マンションは一つの『コミュニティ』です。このコミュニティには、一人暮らしから拡大家族までの様々な家族構成、異なる価値観・ライフスタイルの方などが共同利用しています。

このコミュニティにおいて全員が守らなければならないルールを定めたものが『管理規約』です。この管理規約では、非常に重要なマンションのルールが定められており、代表的な内容は以下の4つです。

1.管理組合、理事会の業務

管理組合としてどのような業務を実施しなければならないかを定めています。

理事会については、理事会の人数、選任方法、役員の任期、各役員の役割を規定しています。そのため、

「理事会の任期が1年で十分な引き継ぎもなく交代してしまう。任期を2年に変更し、役員を半分づつ入れ替えローテーションさせたい」

となると規約の改定が必要になります。なお、管理規約の変更には特別決議が必要になります。

2.専有部、共有部の範囲とその使用用途

何が区分所有権の対象になるのかが定められており、例えば『窓枠は専有部には含まれない』といった具体的な要件が記載されています。

またSOHOのような自宅兼オフィスという利用や、マンションを賃貸オフィスで貸し出したいケースもあると思いますが、住宅以外の使用用途を認めるのかなども定められています。

他にも専有部の観点ではリフォーム(専有部の修繕)はどう進めるのか、誰の許可を取るのか、必要な資料は何かが規定されています。

3.費用(管理費・修繕積立金)に関して

管理規約には法的な効力があり、ルールを遵守しない違反者に対する強制力を持ちます。

毎月の管理費、修繕積立金の支払いはこの管理規約に定められ、この規約に則り、各区分所有者には支払いの義務が発生するのです。そして管理規約には管理費と修繕積立金の費用負担方法、経費の充当先が定められています。

4.総会に関して

総会の構成員、開催ルール、招集方法を定めています。

毎年決められた時期に開かれる総会ですが、会議を開く何日前までに、どこで、どのような目的のために総会を開くのか、通知しなければならず、その内容が記載されています。また修繕工事に関しては特別手続きが必要といった内容も記載されているはずです。

他にも細かな内容が記載されていますので、自分が暮らしているマンションはどのようなルールが定めれているのかぜひ確認してみてください。

なおこの管理規約は、国土交通省から発行されている「マンション標準管理規約」に則って作られていること多いのですが、各々のマンションの状況に応じてことなっています。最後にマンションの総会についての具体的な説明をします。

マンションの総会とは

管理組合は必ず総会を開かねばなりません。

マンションの総会とは管理組合の最高意思決定機関であり、区分所有法によって開催時期、開催方法、役割が定められています。つまり、総会のルールは法律によって明記されており、マンションの管理において総会を無視することはできません。

区分所有法では総会において何を決議すべきかについても定められており、規約の変更、理事の選任・解任、共有部分の管理に関わる事項など、マンション管理に関することは、原則として総会で決議されなければなりません。もちろん、管理会社の変更も総会議案となります。

総会の種類

マンションの総会には定期総会と臨時総会の2種類があります。

定期総会に関しては区分所有法に開催要件が定められており、毎年一回、会計年度開始の2ヶ月以内となっています。7月末決算の管理組合であれば、9月末までに開始しなければなりません。そして定期総会では、その年の業務報告を行うこと、との記載があります。

臨時総会とは必要に応じて行うもので、重要な議案があれば必要に応じて都度行われるものとなります。

総会の開催準備

総会のルールが法律で定めれている以上、開催には一定のルールがあります。

招集通知書の作成方法

総会を開くには招集通知が必要になります。

招集通知には、場所、日時、開催の目的を明記しなければなりません。なお、マンション標準管理規約にて開催2週間前までに告知することとの記載があります。

ほとんどのマンションの管理規約はこれに準じて作成され、告知期間は各マンションの管理規約に準拠することになります。また招集通知には、管理規約の第何条に基づいて総会を開催するのかを明記するのが一般的です。


臨時総会開催のお知らせ(サンプル )

 拝啓、時下ますますご清祥のことと、お慶び申し上げます。並びに、平素は理事会活動にご協力頂き、誠にありがとうございます。
さて、早速ですが、下記日時にて、表記の通り臨時総会を開催致します。ご多忙とは存知ますが、万障お繰り合わせの上、ご出席頂けますようお願い申し上げます。
なお、当月の出席に関わらず、同封の出席表(兼委任状・議決権行使書)にご記入の上、平成○年○月○日までに***号室○○宅のポストへ投函の程お願いします。

1.日時 平成○年○月○日(○)午後○時より

2.場所 ◯◯市◯◯町◯丁目◯-◯ ◯◯ビル ◯F会議室

3.議題 第1号議案 ◯◯◯◯◯◯について


総会議案書の作成方法

「総会ではあらかじめ通知した事項についてのみ決議することできる」と定められており、総会で決議が必要なものは必ず議案書に盛り込む必要があります。

出席表・委任状・議決権行使書の作成

議案書の議題にあわせた「主席表・委任状・議決権行使書」を作成します。これは事前に配布し、総会開催前までに集めます。

なお、無断欠席が増え、総会承認に必要な議決権数が集まらず総会が流れてしまうことを「流会」といいます。そうならないために、住戸を周り必要数を集めるということも必要になります。

招集通知書・総会議案書の配布

招集通知書・総会議案書の配布はマンション敷地内の掲示板などへの張り出しと各住戸への配布を行うのが一般的です。しかし管理規約に特段の定めがなければ、マンション内掲示だけでもよいとされています。

またマンション外に住んでいる方で住居の変更届けが提出されている場合はその住所へ郵送します。住所変更届けがされておらず、住所不明の場合は所有住戸に対して配布することで通知したものとみなすことができます。

総会の開催

総会開催当日はかならず委任状、議決権行使書を含めて出席の数を確認します。承認に必要な議決権に満たない「流会」となってしまうためです。なお議題によって必要な議決数は変わってきます(詳細は普通決議と特別決議 – マンション管理の議案決議方法を参照ください)

総会は議案に沿って進めます。なお、区分所有法にて総会の議事録を作成することが義務付けられており、理事長の他2名の署名・押印が必要です。

議事録には、開催日時、場所、組合員総数、議決権数、そして議案の決議結果を記載します。この議事録は組合からの閲覧を求められた際には閲覧できる状況にしておく必要があるため、原本保管とは別に閲覧用のものを作成しておくことが一般的です。

なお、当社のマンション管理見直しサービスではこれらの議案書や議決権行使書の作成等もサポートします。お困りの際にはご連絡ください。

マンションの管理組合と総会のルール役割のまとめ

マンションの管理組合や総会について掴んでいただけましたでしょうか?

このようにマンションには具体的なルールが定めらえていますが、マンションを購入していても知らない方が多く、「管理規約は読んだことはない」「そのなものもあった気がする」という方がほとんです。

管理組合のルールや管理規約、総会のことは、普段知っておく必要があるものではありませんが、管理会社を通さず組合主体で行う議案(大規模修繕の直接発注や管理会社の変更など)は、規約を確認し、手順を確認しながら進める必要があります。

記事監修

マンション管理士:古市 守(ふるいち まもる)

管理会社変更をはじめとするマンション管理組合のコンサルティング、管理計画認定制度支援や事前審査担当、自治体のマンション調査、マンション管理コラムの執筆・監修などで活動。

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