賃貸管理と分譲マンションの管理の違いとは?

マンション

環境の変化、子供の成長などのタイミングで、賃貸物件から分譲マンションへの居住を検討している方もいるとと思います。

分譲マンションは賃貸マンションと違い、所有者の全員が管理組合となり、管理をしなければなりません。

そこで今回は、賃貸管理と分譲マンションの管理の違いについてご紹介します。

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賃貸物件と分譲マンションの違い

賃貸物件と分譲マンションの管理の違いをご紹介する前に、まずはそれぞれの違いについてご紹介します。

アパートなどの一般的な賃貸物件と分譲マンションの大きな違いは、借りるか購入するかです。

賃貸物件とは

賃貸物件は、アパートやマンション、戸建て住宅、土地など様々な種類がありますが、1つの物件につき1名のオーナーが存在します。入居者はオーナーに賃料を支払うことによって、居室を借りて居住することができます。

分譲マンションとは

分譲マンションは、「区分所有」といい、居室を購入した人が、その居室の所有権を得ることができます。

そのため、賃貸物件のように1棟を1名のオーナーが管理するのではなく、居室ごとにオーナーが異なります。つまり、100世帯いる分譲マンションには100名のオーナーが存在するということです。

建物や設備のグレードも賃貸と分譲で違う

賃貸物件のほとんどは、投資目的で建築されています。そのため、効率良く収益を上げることを目的に、設備や構造などのコストを抑えて建てられていますので、設備を重視し、快適さを求める方にとっては、少し物足りないかもしれません。

一方で、分譲マンションは戸建住宅と同様に、購入者が一生住むことができるように作られているため、設備や構造がしっかりしているところが多いです。

賃貸に比べて防音性が高く、居室を広く使えて、食洗器や浴室乾燥機も築浅の物件では完備されているので、快適に生活ができるでしょう。

管理形態の違い

賃貸物件は、オーナーもしくは管理会社が管理を行います。

分譲マンションも、管理会社が管理を行うものだと思っている方が多いと思いますが、分譲マンションは、マンションの区分所有者が管理組合を作り管理を行います。けれど、管理組合で管理を運営していくことが難しいため、管理会社に管理を委託しているのです。

そして、マンションの中には、数十世帯が居住しているものもあれば、数百世帯が居住している大きいマンションもあり、規模は様々です。全ての管理組合の意見をまとめるのが難しいため、管理組合の中から「理事」を数人選抜し、理事会を作ります。そして、理事会を管理会社がサポートする形で日々の運営を行っているのです。

そのため、分譲マンションの管理の主体は管理会社ではなく、管理組合にあるのです。

分譲マンションの管理形態

分譲マンションによっては、全て管理会社に管理を委託するところもあれば、管理会社に委託せずに管理組合で管理をするなど、管理形態が異なります。

管理形態は、下記の3つです。

  • 業務を一括して管理会社に委託する「全部委託」
  • 会計、清掃、設備点検など、一部を管理会社に委託する「部分委託」
  • 管理会社に委託せず、全て管理組合で管理を行う「自主管理」

自主管理

「自主管理」は、管理費を削減することができますが、幅広い業務を行わなければならないので、住人にとってはかなりの負担になります。 また、積極的に取り組める人がいなくなると、建物や設備の管理が不十分になる可能性もあります。

そのため、昨今では自主管理から「全部委託」に切り替えるところが大半です。自主管理の物件はなくなってきていると言っても過言ではないでしょう。

参考リンク:マンションの自主管理のデメリット

全部委託

「全部委託」とは、全ての業務を管理会社に委託することです。

一般の賃貸管理と同様に、出納業務、設備・各種法定点検、清掃を行い、管理に関するアドバイスを行います。

管理の内容は、それぞれあまり違いはありませんが、分譲マンションにはさらに、賃貸にはない、理事会の開催サポートや総会に参加し、議事録の作成の補助など幅広い業務が加わるため、多くの分譲マンションでは全部委託の方式です。

管理内容の違い

賃貸物件も分譲マンションも管理内容に大きな違いはありません。

入居者が快適に生活できるように、敷地内や共用部分の清掃、エレベータや給排水などの設備の管理、そしてお金の管理である出納業務を行います。

賃貸であれ分譲であれ管理を行う上で、専門的な知識がです。そして管理内容の延長線上にとして、分譲マンションには「管理規約」があり管理組合の運営のルールが定められています。

賃貸物件のほうが楽なの?

分譲マンションは、理事会や総会をするなど業務が多い上に、リフォームを行う際は、賃貸物件と比較するとかなりの手間がかかってしまいます。

賃貸物件なら、リフォームをする際に、オーナー1名に許可を取ればすぐにリフォームを開始することができますが、分譲マンションの場合は、そうはいきません。

管理規約で定められた範囲内で工事を行うことを義務付けられ、管理組合(理事長)に承認を得なければならないので、かなりの手間がかかります。

このような理由で、住むなら賃貸物件の方が楽だと思う方も多いかもしれません。

ところが、賃貸はゴミ出しのマナーが悪かったり、共用部分に私物を置かれたり、駐輪場に自転車が放置されているなどトラブルを解決するのが大変です。

一方で、分譲マンションは賃貸物件よりもマナーが良いケースがほとんどです。

住人のほとんどが、長く住むために、マンションを購入しています。近所づきあいを良好に、マナーやルールを守り、共用部分も綺麗に使用する方が多い傾向があります。

分譲マンションのほうがルールがある分、マナーがよく管理が行き届いていると言ってもよいと思います。

まとめ

今回は賃貸管理と分譲マンションの管理の違いについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

賃貸物件と分譲マンションの管理は業務の幅は違いますが、内容はさほど違いはありません。

賃貸から分譲に切り替えるといって、「マンションの管理」などはあまり気にしないかもしれません。けれど、快適な暮らしを支えているのはその管理のおかげなのです。

その「マンションの管理」に意識を持っていただくと、より良い住環境を築けると筆者は思います。

記事監修

マンション管理士:古市 守(ふるいち まもる)

管理会社変更をはじめとするマンション管理組合のコンサルティング、管理計画認定制度支援や事前審査担当、自治体のマンション調査、マンション管理コラムの執筆・監修などで活動。

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