マンションが売れない場合に確認したい3つの項目とその対策
マンションを購入する際、
「マンションを賃貸ではなく、所有すれば資産になる。子供が大きくなって、ライフスタイルが変わったら売却すればいい」
そう思ってマンションを購入された方も多いのではないでしょうか?しかし、現実問題として、中古マンションを売却しようとしても、必ずしも売れるわけではありません。
売れない理由は本当に様々なのですが、今回は売れない時どういう風に考え、対応したら良いのかをご紹介します。
重要なのはタイミング
長年不動産業に携わっている方に話を聞くと、マンションが売れるか売れないかは最終的には「タイミング」の一言で収まる様な気がするそうです。
やや設定価格が高く思えるマンションでも、たまたまその時期に競合するマンションが無く、たまたまその時にその物件を欲しがっている人がいれば、販売開始当日に売れる場合もありますし、逆にすぐに売れるだろうと思っていても、タイミングが悪く、半年売れない事もあります。
そのタイミングには様々な要因が有り、「客がいるか?」「競合物件はあるか?」「住宅ローン金利が下がりそうか?」「税制が変わりそう」という様な事から、「現地見学会の当日に大雨だったり」「売りに出した後、すぐに同じマンションの他の部屋がもっと安く売りだされたり」「お客さんが住宅ローン審査に通らない」というような理由で売れない事もあります。
でもこれらの理由は、売れる状態になっていながらも売れない時の話です。
売り出しているマンションが相場と比べ適正価格で有るならば、客が見つかれば売れますし、競合物件が有っても、そっちが売れれば次はこっちが売れます。
つまり、タイミングが悪くて売れない場合は時間が解決してくれるのです。
しかし、そもそも売れる状態になっていないマンションは、何かしらの原因が有ります。その場合に確認すべき3つの項目とそれぞれの原因と対策について紹介します。
マンションが売れない場合に確認すべき3つの対策
1.価格が相場価格ではないなら価格を下げる
マンションが売れない理由のダントツ1位は、これが原因です。
例えば、2か月前に、ABCマンションの1001号室がリフォームをせずに4000万円で売れていたとします。
今、同じABCマンションの901号室が、同じくリフォームをせずに4500万円で売れるでしょうか?
この2か月間で一気に不動産バブルが始まったのなら売れます。しかし普通に考えて、同じ間取りで、同じようにリフォームをしていなくて、ましてや階が1つ下がるのに、価格は500万円高い。
そんな状況では売れません。
だって、その物件の適正価格は4000万円(もしくは階が1つ下の分もう少し安い)なのです。
売りに出ている不動産が、相場より高くなってしまうのは、以下の様な4パターンが考えられます。
- 売主が欲を出し、高い価格を希望している
- 査定をした不動産業者の査定能力が無い
- 不動産業者が売主で、出来るだけ高く売って利幅を大きくしようとしている。
- 敢えて高く売りだして、徐々に価格を下げてお得感を出す(つまり最初から4500万で売る気は無い)
マンションを売却する上で、1つ重要な事が有ります。
それは、“価格を決めるのは相場”です。売主が「それだと安い」と言ったり、手入れをして大切に使ってきたから高く売れるはず。なんていうのは二の次です。
売主はよく、自分の部屋が一番いいとか、綺麗に使っているとか、そういう過大評価をしがちです。
しかし、厳しい言い方になりますが、売主の評価には何の意味もありません。
それは、買主は中古マンションを探す時に物件相場を徹底的にチェックしていますし、買主側の不動産業者も「これ相場から考えるとまだ高いです。交渉しましょう!」という様な事を平気で言います。
価格交渉が当たり前の業界で売主がどれだけ自分の部屋を良いと思っていても、相場からかけ離れた物件は売れません。
なので、大前提として、高く売ることを考えるより相場で売ることを優先しましょう。相場より高いのであれば、価格を下げる事も必要です。
2.売り部屋だらけのマンションなら時期を待つ
人というのは、選択肢が数多くあると、決めれない物です。
そして、マンションの場合、1つのマンションに売り部屋が多数あると、「不人気物件?」と考えてしまう場合もあります。
総戸数50室くらいのマンションで有れば、何部屋も売りに出る事はなかなか無いと思いますが、総戸数500〜室有るような新興住宅地の大規模マンションですと、同時期に5室が売りに出る事もあります。
そんな状況になってしまうと、買主は、
「どの部屋が一番いいかな?」
と言う気持ちが出てくるのと同時に、
「そもそもこんなに沢山売りに出ているマンションって信用できるの?」
という様な気持ちになってしまう事もあります。
こうなってしまうと、売れるものも売れなくなってしまったりします。
また、複数の売り物件が有ると、基本的に安くてきれいで、日当たりがよく、高層階の条件が整った部屋から売れていきます。
自分の物件に階数や日当たり、価格などで他よりも劣る点がある場合、比較用の物件としてだけ使われ、内覧回数は一番多いが、全てが「ね、この部屋よりあっちの方が良いでしょう」という扱いになってしまいます。
もし、複数の部屋が売りに出ていて、階数や日当たりで勝負が出来そうにないなら、売出しのタイミングを少し待ってみるのも有効です。
3.媒介契約を結んでいる不動産業者を変更してみる
不動産を売却するには、不動産会社と媒介契約を締結します。(媒介契約・・・売主が自らの不動産の売却を業者に依頼するための契約)
媒介契約を締結した不動産業者は、指定流通機構(売り物件の業者間データベース)に物件情報を登録し、他の不動産業者に客付けの依頼をしながら、自社でも売却活動を行います。
しかし、不動産業者によっては、他の業者にまかせっきりで、自社では広告も何もしないようなところもあれば、自社だけで買主を見つけて、売主・買主両方から手数料を得るために、他の業者に物件情報を公開しない会社もあります。
なお後者の行為は、媒介契約の方法によっては違法行為となります。(しかし、そういう事を平気でやる不動産業者も有るようです)
指定流通機構に登録されると、売主に提出する用の証明書が発行されますし、普段どのような広告活動・営業活動をしているか、注意することも必要です。
価格も相場価格で適正、大規模なマンモスマンションでもない、ある程度売れる条件が整っているであれば、違う不動産業者に依頼を変更することも考えてもいいかもしれません。
まとめ
今回「価格が高い」「競合物件が多い」「不動産業者の怠慢」と言う点で対策を考えてみました。
売れない理由は他にもたくさんありますが、今回記事にさせていただいたのは、「価格」「市場」「販売能力」という物を売るのに必要な特に大事な3つの項目です。
この3つがしっかりとしていれば、今まで売れなかったマンションも、サクッと買主が現れるかもしれません。
自分の物件が売れないときは、まずこの3つがちゃんと機能しているかどうか?
その点を良く確認して見る事をお勧めします。