中古マンションの価格交渉!交渉しやすい物件とやってはいけない注意点

中古マンションの交渉術

よく、「関西人は百貨店でも値切る」とか、「東南アジアでは価格交渉が当たり前」という様な言葉が有りますが、「価格交渉は得意ではない」という方もいるでしょう。

しかし、中古マンションを購入するときは、価格交渉は当たり前の世界です。

中古マンションの売買と言うのは、価格交渉をしても、もはやそれが当たり前で「指値交渉」とも呼ばれます。つまり、「買主が値段を指定する」ということです。

でも、その交渉に応じるかどうかは、売主次第なので、かならず値引きできる裏技という裏技は存在しません。

そのためここでは、値引きのテクニックとして

1.価格交渉しやすい物件
2.価格交渉しても値引きされない物件
3.価格交渉でしてはいけない注意点

についてご紹介します。

目次
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1.価格交渉しやすい物件

同じマンションで他に売り物件が有ると値下げしやすい

大規模なマンションとなると、同一マンション内で複数の部屋が売りに出されることもあります。

そういう時、同じ間取りで価格に差が有ると、安い方から売れていきます。また、売主側にも競争意識が芽生えるので、価格交渉に応じてくれやすくなります。

「同じマンションがこの価格で売り出しているけどもう少し安くなりませんか?」

そういうだけで価格を下げてくれることもあります。

長期在庫の売り物件

中古マンションが長期在庫化する理由には様々な理由が有りますが、大きな理由としては「価格が高い」「物件自体に魅力が無い」「不動産会社の力が無い」が往々にして当てはまります。

当初は、すぐに売れるだろう思っていた売主も、3ヶ月も売れないとなると何かしら問題があると考え、価格の面で考えようとします。

そういうタイミングで価格交渉をすれば、売主も応じてくれやすくなります。

2.価格交渉しても値引きされない物件

売り出してすぐの物件

どんな商品でもそうですが、売り出してすぐの物は、なかなか値引きはできません。もしかすると、明日来るかもしれない客が提示価格通り買うかもしれないからです。

中古マンションの世界も同様で、売主に「この価格で売れるかもしれない」という希望がある以上、いきなり「安くするなら買うよ」と言っても焼け石に水です。

どうしても欲しい物件なら、言い値で買うべきです。反対に「下がらないなら買わない」位の気持ちで有れば、売れ残って売主が価格を下げてもよいと思うのを待ちましょう。

目安は1回目の専任媒介契約の期限が終わる3か月と言ったところでしょうか。

ローンの残債と売り価格が同じ物件

これは、正直外から見てもわかりません。

売主が、売却したお金でローンを一括返済しようとしている場合、ローンの残金より安い価格で買われてしまうと、一括返済が出来なくなってしまいます。

大体こういう物件は、指値で買い付けをすると、売主側の業者から「ローン残債があるので、これ以上は応じられない」と言われます。

そういう物件での価格交渉は早々に諦めたほうが時間の無駄になりません。

3.価格交渉でやってはいけない注意点

物件を悪く言って価格交渉をしない

これは、買い側の不動産業者の担当者の気が利くかどうかにも大きく左右されるのですが、

「リビングが汚いから、安くしろ」
「水回りが古いから安くしろ」

という様な、物件のマイナス面を持ち出して価格交渉をすると、それがそのまま売主に伝わってしまう事が有ります。

特に、売主側の業者と買主側の業者が同じ時などは、営業担当者と売主はツーカーなので注意が必要です。

例え売ろうとしている物件でも、売主が一生懸命働いて購入したマンションです。

それを悪く言ってしまうと、へそを曲げて、

「例えこっちの言い値でもあの人には売りません」

という売主さんって結構多いです。

間に業者が入っていますが、あくまで個人と個人の売買契約です。

「買主(売主)の言動や対応が気に入らないからこの人とは取引しない」

という事も自由です。

そういう時は、あくまで自分の責任とし、

「非常に魅力的な物件だが、ローン支払いの事も考えて後100万安くならないだろうか?」

という風に交渉しましょう。

「とりあえず」の指値での買付申し込みをしない

指値とは「買主が価格を指定する」という事です。

つまり、売主がその価格交渉に応じたのであれば、契約をするという責任が有ります。しかしこれは法的拘束力はないので、あくまで道徳的な責任です。

もちろん、価格交渉をするだけして、売主がOKしているにもかかわらず、

「やっぱり止める」

という人もいます。

それに対して賠償請求等は有りませんが、不動産会社泣かせの客でもあります。買主に代わって、売主や、売主側の不動産業者に交渉をしたにもかかわらず、それを全部無駄にするわけですから。

また、売買物件の買い付け申し込みをキャンセルされるというのは、不動産営業マンにとっては、

結構恥ずかしい失敗でもあり、まわりから「あいつキャンセルを食い止められなかったんだ」

と思われるところもあります。

それだけ、「不動産の買い付け申し込み」と言うのは、とりあえずという世界ではないのです。

そうなると、次からは、

「交渉しても、またキャンセルするかもしれない」という印象が強くなり、正直相手をするのが面倒で、他のお客さんに時間を割いた方が良いと思う担当者もいます。

これは、悪徳不動産会社とかそういうことは関係ありません。不動産業者も商売なので、無駄な事をさせる人は後回しにします。

「交渉付きの買付申込」を一方的な理由でキャンセルしたお客様は、今後一切相手にしないようにする、という営業マンもいます。

ただ、何度も言いますが、あくまで道徳的な問題であり、法律上は問題ない行為ですので、もし価格交渉後に嫌だと思えば、買ってしまう前にキャンセルするべきとも思います。

少し話がそれてしまいましたが、

価格を交渉するときは「下がるなら買う」という事を原則に交渉してください。下がるかどうか決まってから考えるというのは、業界ではタブーであり、次からお客として不動産業者から相手にされなくなってしまう可能性があります。

仲介手数料は値切らないほう得策

不動産の購入は、物件価格だけでなく、仲介手数料や登記費用、ローン保証料や火災保険など様々な諸費用がかかります。

であれば、物件価格が50万円下がるのと、仲介手数料が50万円下がるのは、出費としては同じなのです。

しかし、仲介手数料はあくまで不動産会社の報酬であり、不動産会社の利益。買主にとっては同じ支払額でも、不動産業者にとっては取り分が大きく変わります。

本音を言えば、仲介手数料を値切るようなお客さんの契約なんて、扱いたくないわけです。

つまり、手数料を値切っては不動産業者に嫌われて円滑に進まなくなる可能性があるので、これもやめておいたほうが得策でしょう。

「どうしても値段を下げたいんだ」ということであれば、最後の契約を詰める段階でのもう一押しとして交渉すべきです。

まとめ

今回、物件価格の値引きについてのコツと注意点をお伝えしてきました。

ただ、これらはあくまで参考であり、中には売出し初日に交渉が効く物件もあります。それは、売り出し価格の査定時に「交渉を見越して」価格設定しているところも多いからです。

2000万円で売れる物件を2000万円で売り出すと、そこから指値が入って1950万になってしまうかもしれません。なので、2000万円で売れる物件を2100万円で売り出します。何も言わず2100万円で買ってくれたらラッキー。

指値交渉が入っても、100万円引きの2000万円なら、当初の予定通りです。

時には、最初から値下げ幅の決裁権を、営業担当者にある程度与えている売主さんもいます。なので、「この記事にこう書いているから値段の交渉をしてはいけない」と言うわけではありません。

銀座のヴィトンで価格交渉するのは、結果はともかく、言うだけでも相当な勇気がいると思いますが、不動産の価格交渉は当たり前の世界です。

本当に欲しいと思う物件が有ったら、ぜひどんどんと値段交渉をしていくことをお勧めします。

記事監修

マンション管理士:古市 守(ふるいち まもる)

管理会社変更をはじめとするマンション管理組合のコンサルティング、管理計画認定制度支援や事前審査担当、自治体のマンション調査、マンション管理コラムの執筆・監修などで活動。

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