管理費のコスト削減方法について!無駄を省いてマンションの資産価値を高めよう

マンションを適切に維持管理するために、組合員から毎月徴収している管理費がありますが、この管理費の中身について、何か興味や疑問を持ったことはありますか?

おそらく多く人は持った事がないでしょう。自身の居住するマンションを維持するための必要経費、税金のようなものと考えている人も少なくないはずです。

しかし、この管理費を見直し、削減することは十分に可能な事はご存知でしょうか?

今回はその管理費の削減方法についてご紹介します。

目次
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日常管理業務の頻度について

まず最も考え易いものとして、日頃行われている管理業務の回数について考えてみましょう。

一般的に清掃や点検、植栽の手入れ等は管理会社の委託業務の中に入っていることが多いです。そのため、上記の日常管理業務の頻度を見直すことによって、管理会社に委託している管理委託費を削減することが出来ます。

では、この日常管理業務の頻度削減するためにはどう動くべきでしょうか?

今の頻度が適切なのか、それとも過剰なのか、何の材料も無く判断することは難しいでしょう。

適切な管理頻度か判断する方法

そこでお薦めするのが「業務を試しに1回スキップする」こと方法です。

これは特に清掃業務の見直しに有効です。

週に○回の日常清掃や1~2ヶ月に1回おこなっている定期清掃の業務について、直近の清掃をスキップし汚れ具合を観察してみるとよいです。

これで人目に分かるような汚れが発生していなければ、スキップした月は不要となる。これを材料に、週に何回、年に何回必要なのかを考えていけばよいのです。

設備点検について

機械設備の点検の頻度を検討したい場合、その機器の設置経年数を考慮して考えてみましょう。

例えば、設置して数年しか経っていないピカピカの機械式駐車場はすぐに動作不良や部品の故障が発生するとは考えにくいです。

そうすると、数年間のみの期間限定を条件に点検回数を削減することもできます。

但し、機械部品のため劣化の進行度合いは使用頻度や環境によって異なり予測することが難しいです。

いつ故障や不備が発生するかがわからないというリスクもあるのです。そのため、直近の点検結果をよく観察し、点検会社や管理会社の見解を聞きながら安全面での担保を得た上で進めるのが理想的です。

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植栽について

植栽管理についてはあまり手を入れない方がよいと当社は考えています。

なぜなら植物は天気や気候によって大きく左右されます。そして生き物であるため、枯れてしまうと、基本的に植え替えることでしか復旧できません。

そもそも生き物である植栽を年間○回といった月間単位の作業頻度で枯らさずに維持すること自体大変なのです。

伐採や刈込をスキップすると越境するかもしれず、薬剤散布をスキップすると害虫被害が発生するかもしれません。

そして何より、枯れ果てた植物のあるマンションは印象がすこぶる悪いのです。そうなると、一気に廃墟感が高まり、資産価値にも大きく影響すると考えられます。

被害があった場合のリカバリーに苦慮する植栽は多少の費用がかかっても、抜かりの無いメンテナンスをするほうがベターです。

管理会社への費用は適正か

前述した日常管理業務の費用削減に併せて、管理会社がおこなうサービス提供業務に支払っている費用が適正か否かについても考えてみるとよいでしょう。

これは固定費として考えている方も多いかもしれませんが、比較や交渉を重ねれば削減することは可能です。

まずは、管理会社からのサービス内容について無いか洗い出してみましょう。

管理会社からの主なサービスとしては、

  1. 理事会・総会のサポート、出納業務
  2. カスタマーセンター等の相談窓口と緊急対応
  3. セキュリティ管理

が挙げられます。この中で削減の可能性を探ってみましょう

理事会・総会のサポート

理事会や総会の開催頻度が多かろうと少なかろうと費用は変わらない、という点では、「理事会1回○○円」と実数精算による契約をすることで、検討項目の少ない年度では削減が可能です。

カスタマーセンター等の相談窓口と緊急対応

これについては一管理会社との単独交渉のみでは削減が難しいです。そこで、他社比較です。

他社、特に独立系の管理会社から相見積を取得すると同内容の体制でも費用が安価な場合があります。

カスタマーセンターはサービス員の数や品質を外部から客観的に把握することが難しい業務です。つまり管理会社もカスタマーサービスの金額の妥当性を証明することも難しいため、より安価な見積もりがあればそれを比較対象に交渉に当たることが出来るでしょう。

セキュリティ管理

最後にセキュリティ管理です。これは現代社会では削減が難しい項目ではないでしょうか?

セキュリティにオーバースペックは無く、数多くの住民の方が一同に介し生活する集合住宅では、セキュリティは必要不可欠です。

またマンションに期待する機能としてセキュリティの高さを挙げられる方も多いです。

削減を目的にスペックを低下させた結果、何らかの事件事故が発生してしまった際には、管理組合側の責任問題にも成りかねません。

ので、セキュリティは削減対象としての検討は控えたほうがよいでしょう。

今の管理会社が管理組合にとって最適なパートナーか

今の管理会社が管理組合にとってマッチしているかを考えることで、更なる削減も可能です。

つまり、管理会社の変更検討です。

管理会社の種類と特徴

管理会社には主にデベロッパー系(財閥系・大手系)と独立系の2つに分かれます。

デベロッパー系は親会社の建てたマンションをそのまま管理受諾しているケースが殆どです。一方
独立系は親会社を持たず、自社の管理業務からマンションの管理を請け負っています。

イメージとしては、財閥系・大手系はその規模や資金力を活かしたブランド力のあるサービス、一方独立系は目立つものはないものの、合理性を求めやるべきた安さが魅力でしょう。

各々、メリットデメリットはあるため、どちらの方が優れているとは言えませんが、ご自身のマンションにとって今の管理会社の提供サービスが必要かどうかを考えてみましょう。

例えば、現在財閥系の管理会社の場合、様々なサービス品質はあれど、今の管理状態を維持する上でそれは不可欠なものなのか。それがないとこのマンションはやっていけなくなってしまうのか、これを考えてみるといいでしょう。

この問いに対し、YESと自信を持って言えなければ他社への移行を考えてみてもよいのではないでしょうか?

大手会社の費用には、ただのサービス費としてだけでなくその冠を持つためのブランド代や信用度も加算されています。

これに特段のこだわりを持つ必要が無ければ、スペックや冠を取り、ミニマル志向な管理に踏み出すことも削減対応としては非常に有効です。

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無駄を省いて管理費の適正化を

固定費と思いがちな管理費でも、情報収集と客観的な目線を携えれば十分に削減が可能です。

但し、削減に固執するあまり状態が悪くなることだけは避けなければいけません。管理状態は資産価値に直結します。

あくまで「無駄を省く」という芯を忘れずに必要不要の取捨選択を間違えないことが重要です。

管理費の削減で資産価値が上がる

この節約は修繕積立金に回すことも可能です。修繕工事はマンションを維持するためには不可欠であり、修繕費用は年を重ねるほど必要額も増加します。

本来であれば各戸からの徴収額を増やすことで、必要分を確保するのですが、管理費の削減分を修繕積立金に回すことが出来れば、それはいわば臨時収入となります。

結果として、修繕積立金の増額幅を削減することが出来たり、場合によっては値上げする必要がなくなる可能性もあります。

自身の大切な資産であるマンションの価値を落とすことなく維持するためには、適切な修繕積立金が蓄えられていることも非常に重要なのです。

ぜひこれを機会に管理費の削減について検討してみはいかがでしょうか?

記事監修

マンション管理士:古市 守(ふるいち まもる)

管理会社変更をはじめとするマンション管理組合のコンサルティング、管理計画認定制度支援や事前審査担当、自治体のマンション調査、マンション管理コラムの執筆・監修などで活動。

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