修繕積立金の相場と適正額の調べ方

修繕積立金の相場

「9割のマンションでは修繕積立金が足りず潜在的に赤字である」と言われていることをご存知でしょうか?

多くのマンションにおいて、分譲時の初期設定価格の修繕積立金では大規模修繕の費用が足りず、修繕積立金の値上げを実施しているのが現実です。そして驚くべきことに、その値上げ額は初期設定価格と比べると2倍から4倍にもなっています。

なぜこのような事が起きるのでしょうか?それは毎月の修繕積立金の徴収額が、適正な積立額に対して圧倒的に不足しているからです。では、適正額とはいくらなのでしょうか?

ここではマンション全体の修繕積立金の相場、そして修繕積立金の適正額の計算方法をご紹介します。

目次

修繕積立金の月額相場

国土交通生省が発行しているマンション総合調査で、実際どのくらい修繕積立金の徴収しているのか、その相場を掴むことができます。

完成年次別に見た修繕積立金の相場がこちらです。

完成年次H20:1㎡あたり月相場(円)H25:1㎡あたり月相場(円)
H30:1㎡あたり月相場(円)
昭和44年以前277253399
〜昭和49年212166173
〜昭和54年183163167
〜昭和59年170166154
〜平成元年163168171
〜平成6年177157245
〜平成11年147144172
〜平成16年132122143
〜平成21年112120136
〜平成26年-132116
平成27年以降--90
不明141164200
全体平均156149164

このデータから古い建物ほど、修繕積立金が高く、築浅になるにつれて、修繕積立金が下がる傾向があります。

これは多くのマンションで修繕積立金の徴収方式が段階増額積立方式となっているためです。段階増額積立方式とは、年数とともに修繕積立金の徴収額を値上げする方式です。

つまり年数が経過しているマンションほど修繕積立金の値上げされており、中には平方メートルあたりの月額の修繕積立金が500円を超えるようなマンションも存在しています。

現時点では築年数が浅く現時点では修繕積立金が潤沢にあるマンションでも、今後は修繕積立金が足りなくなる可能性がある、ということです。

修繕積立金はその名の通り、積み立てていくものなので、早めに対応することが、値上げ率を抑制することになります。

戸当たりの修繕積立金の月額の相場

戸数H20:1㎡あたり月相場(円)H25:1㎡あたり月相場(円)H30:1㎡あたり月相場(円)
20戸以下163179205
21〜30戸151143158
31〜50戸154144166
51〜75戸155156134
76〜100戸154154147
101〜150戸155143130
151〜200戸195151135
201〜300戸119135154
301〜500戸158117461
500戸以上158189167
不明89035118
全体156149164

このデータから、タワーマンションや屋内プールがなどの特殊設備がある大規模マンションでは、設備を要していないマンションよりも多く修繕積立金を集めていることがわかります。

反対に規模が小さなマンションではそこまでばらつきは見られませんが、エレベーターや機械式駐車場などの設備を有していれば、一世帯あたりの修繕積立金の負担額が増えるので、その観点から小さな規模のマンションでは修繕積立金が高いことが読み取れます。

修繕積立金の相場と適正額

平成30年時点のマンション総合調査の相場をまとめると、

・修繕積立金の相場価格:164円/㎡・月 

となります。相場価格はわかりました。では適正額はいくらなのでしょうか?

修繕積立金の適正額の目安

修繕積立金の適正額は、国土交通生省が発行している「マンション修繕積立金に関するガイドライン」にて知ることができます。これにより適正額を掴むことができます。では早速みてみましょう。

マンション修繕積立金に関するガイドラインの計算式

(算出式) Y=AX(+B)

Y:購入予定のマンションの修繕積立金の額の目安
A:専有床面積当たりの修繕積立金の額(下表)
X:購入予定のマンションの専有床面積(m²)

( B:機械式駐車場がある場合の加算額 )
※マンションに機械式駐車場がある場合は、修繕工事に多額の費用を要し、修繕積立金の額に影響する度合いが大きいことから、機械式 駐車場に係る修繕積立金を特殊要因として別に加算することにしています。

(A)占有床面積当たりの修繕積立金の額

階数/建築延床面積平均値事例の 3 分の 2 が
包含される幅
【15 階未満】5,000 m²未満218 円/m²・月165 円~250 円/m²・月
5,000~
10,000 m²
202 円/m²・月140 円~265 円/m²・月
10,000 m²以上178 円/m²・月135 円~220 円/m²・月
【20 階以上】206 円/m²・月170 円~245 円/m²・月

(B)機械式駐車場がある場合の加算額

機械式駐車場の機種機械式駐車場の修繕工事費
(1台当たり月額)
2段(ピット1段)昇降式7,085 円/台・月
3段(ピット2段)昇降式6,040 円/台・月
3段(ピット1段)昇降横行式8,540 円/台・月
4段(ピット2段)昇降横行式14,165 円/台・月

適正額の計算方法

修繕積立金の計算

実際にマンションの建築延面積を調べ、表に当てはめて計算するのは大変なので、もう少しシンプルに考え、占有床面積当たりの修繕積立金の平均値をとり、修繕積立金の適正額は200円/㎡・月と考えます。

機械式駐車場も同様に平均値をとり1台あたり、9000円/月と考えます。こちらの値で以下の式に数値を当てはめれば、修繕積立金の目安が分かります。


■適正額の計算式

(200円×占有床面積) + (9000円×機械式駐車場数÷住戸数)
= 修繕積立金の目安


占有床面積70㎡、機械式駐車場台数20台、総住戸数80戸のマンションに暮らしていると仮定して、上記計算式に数値当てはめて計算してみます。


■3LDKのモデルケース

(200円 × 70㎡)+(9,000円 × 20数 ÷ 80戸)
= 16,250円


つまり上記モデルの住戸では16,250円が目安となります。

なお、冒頭で紹介した平方メートルあたり相場(164円/㎡)と適正額(200円/㎡)の差は、僅か36円しかありません。

しかし、この39円でどれだけの差があるでしょうか?

上記のモデルケースに当てはめるとすれば、マンション全体では月額22万円、年間266万円近く不足していることになります。

そして、修繕積立金の不足は時が経てば経つほど大きくなります。

修繕積立金の徴収額が相場以下のマンションの割合

相場価格を下回るマンションの割合

なお、総合調査には徴収している修繕積立金の内訳が記されており、そのデータを読み解くと、修繕積立金の徴収額が200円未満のマンションは全体の半数以上を占めます。反対に200円以上徴収しているマンションは8%しかありません。不明の数を外すと87%のマンションでは適正価格以下の徴収額です。

これは目安に過ぎませんが、この調査からも約9割のマンションで修繕積立金が足りていないことがわかります。

修繕積立金の相場と不足について

修繕積立金の相場と適正額について掴んでいただけましたでしょうか?まとめると以下となります。


■適正価格と相場価格

適正価格:200円/㎡・月 (+機械式駐車場のメンテナンス代)

相場価格:164円/㎡・月 ※平成30年時点のマンション総合調査の相場



ここでお伝えしたいのは
多くのマンションで修繕積立金が不足しているという事実です。

「マンション修繕積立金に関するガイドライン」でも冒頭に以下のように記載されています。

一般に、マンションの分譲段階では、分譲事業者が、長期修繕計画と修繕積立金の額をマンション購入者に提示していますが、マンション購入者は、修繕積立金等 に関して必ずしも十分な知識を有しているとは限らず、修繕積立金の当初月額が著しく低く設定される等の例も見られます

その結果、必要な修繕積立金が十分に積み立てられず、修繕工事費が不足すると いった問題が生じているとの指摘もあります。

(引用:マンション修繕積立金に関するガイドライン)

つまり、新築で分譲されるマンションは一時金や段階値上方式を採用することで毎月の修繕積立金を低く設定しているケースが多いということです。

国が推奨する修繕金の徴収方法

修繕積立金が低く設定されるのは、新築分譲マンションを購入時に、買主側に買いやすい価格に設定しているためです。

このような考え方によって、修繕積立金の額を先送りにしているとも考えられます。

そのため国土交通省では、段階増額積立方式よりも、均等積立方式を推奨していることも理解しておくと良いでしょう。

参考リンク:修繕積立金の積立方式〜均等積立方式と段階増額積立方式

修繕金の不足を解消するために

修繕積立金が少ないことは資産価値の観点から見ても好ましくありません。

なぜなら、修繕積立金が少ないマンションは現時点の修繕積立額が少ないという金銭価値だけでなく、買主にとって将来的な負担増を強いられると考えられ、仲介業者から価値を低く見積もられるからです。

修繕積立金が少ない場合、将来の適正な修繕積立金の額を考えれば値上げは避けられません。

しかし、段階的な値上げや急激な値上げを抑制するために、駐車場の空きスペースを利用したり、空いている時間帯の集会室の地域への貸し出し等でマンションの収入を増やす、管理費や修繕積立金の滞納などにより収入を減らさない、余計な支出を削減するなどの手段を講じることはできます。

比較的に簡易に取り組める保険の契約期間の見直しから、管理会社の見直しなど効果の大きい様々な方法があります。

確実なことは、修繕積立金の不足は、大規模修繕の際に、「銀行借り入れによる積立金の大幅な値上げ」や「一時金の徴収」などを招き、必ず問題になります。

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