大規模マンションのメリット・デメリットについて
大規模マンションにはどのようなメリットがあるのか?「大規模マンション メリット」と検索すれば様々な情報が溢れています。
誰しも、マンション購入は失敗したくありませんよね。そこで、今回は私たちが専門としている「マンション管理」の視点も取り入れながら、大規模マンションのメリット、デメリットを考えてみていきます。
大規模マンションとは
メリット・デメリットを考える前に大規模マンションとは何でしょうか?
何戸以上であれば、建築面積が何平米以上であればという定義はないので、実は「大規模マンション」という定義はありません。
そのため、ここでタワーマンションを除いた100戸以上の規模を大規模マンションとイメージして、メリット、デメリットを考えます。
大規模マンションのメリット
1.マンションの設備・サービスが充実している
マンションの主たる収入は毎月の管理費、次に駐車場の利用料です。戸数や駐車場の利用者が多ければ多いほど集まる管理費は増えます。
その潤沢な管理費を利用して、ゲストルームやエントランスの待合スペース、コンシェルジュや夜間警備、などの設備、サービスを充実させることができます。また大規模で土地も広いためにその設備を有するだけのスペースを確保できている、ということもあります。
小規模のマンションの場合はこうは行きません。
2.マンションの管理費が安い
一般に大規模マンションの方が管理費は安いと言われます。これは地域別・戸数別に見る管理費相場でもご紹介している通り、マンション戸数が増えるほどに平方メートルあたりの管理費も下がっています。
戸数別にみた月額管理費の相場(マンション管理費の総額と戸別の額)
戸数 | 管理費総額(万円) | 管理費戸別(円) | ㎡当たりの月額管理費(円) |
---|---|---|---|
20戸以下 | 24.6 | 16,595 | 201 |
21〜30戸 | 29.1 | 11,191 | 151 |
31〜50戸 | 46.0 | 11,304 | 164 |
51〜75戸 | 66.4 | 10,727 | 148 |
76〜100戸 | 84.4 | 9,621 | 128 |
101〜150戸 | 113.9 | 9,314 | 128 |
151〜200戸 | 160.1 | 9,390 | 114 |
201〜300戸 | 222.9 | 9,100 | 119 |
301〜500戸 | 326.8 | 8,550 | 108 |
500戸以上 | 823.1 | 11,814 | 145 |
不明 | 9.0 | - | 7 |
全体 | 105.1 | 10,661 | 145 |
もちろん大規模なマンションであれば、それに応じてエレベーターなどの必要な設備も増えます。しかし、それ以上スケールメリットが出るための管理費が割安になっています。
3.コミュニティが形成しやすい
コミュニティを煩わしいと感じる方もいるでしょうが、大規模マンションを購入される方はマンション内のつながりも一つのメリットして考える方が多いと思います。
実際に大規模マンションの住む方の声を調べると、ママ友ができた、子育てで子供の友達もできて助かった、という声も多く聞かれます。
また子育てだけにに限ったことではなく、お年寄りなども交流の場があります。公園などの設備がマンション内にあれば、日中はそこに集まっておしゃべりなどもできます。
バーベキューや花火大会なども、大規模マンションで良く聞くコミュニティの事例ですね。
大規模マンションのデメリット
1.大規模マンションの資産価値は落ちないは本当か?
大規模マンションは資産価値が落ちない、売買がしやすい、と言われますがそれは本当でしょうか?
大規模なマンションで、似たような間取りの部屋が売りに出された場合、買う立場であれば、価格の安い方を購入しませんか?もしくは、別の部屋がこの価格で売りに出てるけど安くならないか?と値段交渉をしませんか?
大規模なマンションであれば、小規模なマンションに比べ、同条件の部屋が多くあるということです。様々な意見がありますが、大規模だからマンションの資産価値が高いということはないと考えています。
「大規模である」というメリットよりも、立地が良くてマンションの管理が行き届いている、その方がはるかに資産価値は高いはずです。
2.設備が充実しているということは多額の修繕積立金が必要
メリット2で述べた設備が充実している、ということはそれだけ多額の修繕積立金が必要になります。
管理費はマンションを運営しているための費用であるとすれば、修繕積立金はマンションをメンテナンスするための費用です。
小規模なマンションであれば余計な設備はありません。ただし、大規模なマンションで豪華な設備を売りにしているが場合は、メンテナンスに必要な資金も増えます。
例えばプールなどの設備を要している場合、莫大な修繕費がかかるはずです。
3.総会の意見がまとまらない
新築時は最新の設備でも、いずれは古くなり、必ずメンテナンスが必要になります。この時に必要になるのは修繕工事です。
修繕積立金が足りなければ、総会で修繕積立金の値上げを決議しなければなりません。設備のメンテナンスが必要であれば修繕工事の決議を行わなければなりません。
しかし、多くの方が暮らしているといことは、それだけ多様な意見があるという事です。
設備を使っていない人からすれば、修繕積立金は値上げしたくないでしょうし、工事も不要です。反対に設備をよく利用する人であれば修繕積立金を集めて、修繕工事を実施したいはずです。
マンションは基本的に多数決で物事が決まります。しかし、そうは言っても、あちらを立てれば、こちらが立たず、この意見をまとめていくのはとても大変な作業になるはずです。
大規模マンションのメリットとデメリットは一長一短
マンションに豪華な共有設備があるということは、それだけ修繕積立金が必要になる。たくさんの人がいるのでマンション内のコミュニティが形成されるが、総会で意見がまとまらない。
長所は同時に短所でもあります。
大規模マンションの購入を検討しているのであれば、「自分たちがマンションに求めるものは何か?」を明確することが大事なのでしょうないでしょうか?
人にとって良いものが自分にとって良いとは限りませんし、逆もまた真なりです。
大規模マンションのメリット、そしてデメリットを良く検討して、自分に合うマンションを見つけてください。