マンション管理仕様の見直しポイント
マンションの管理会社と、管理組合とで締結する『マンション管理委託契約書』に、マンション管理の仕様が記載されています。この『マンション管理委託契約書』はマンションを購入される方が、お部屋の契約をしたときに受け取るもので、その中に管理仕様は明記されています。
マンションの月々の管理費は、1㎡あたり〇〇〇円と決まっており、購入した部屋が広いほど負担が多いです。なお、マンション管理費の相場は145円/㎡と言われています。その管理費の支出の相当部分が『マンション管理委託契約書』に記載されている各業務の費用です。
各業務は、マンションの管理会社が専門業者に再委託していることが多いですが、見直すとなった場合、どこから手をつければいいでしょうか。見直しのポイントをご紹介していきます。
点検業務
マンションには、生活していると見えてきませんが、マンションとしての機能を維持していくために、以外に機械的な設備が多いのです。
どこのマンションにも必ずあるものは、給水ポンプ、普段人が入らない地下にある湧水槽・雨水槽などにある排水ポンプ、火災感知器、エレベーターです。マンションにより設置されている場合と設置されていない場合もありますが、自動ドア、機械式立体駐車場、駐車場へのシャッター等があり、これらは全て定期的に点検が必要で、それらを行っています。
『マンション管理委託契約書』には、点検業務の再委託先の業者名までは記載されていません。
エレベーターの点検業者はどこでしょか?エレベーターの点検業者の業界には、メーカー系の点検業者と独立系の点検業者が存在します。どちらが良いのか判断は何とも言えません。役所などの公共施設のエレベーターの点検を独立系の点検業者が多く実施しています。エレベーターは、自分の命を預ける設備でもあるため、マンション購入を検討される際には、点検業者について見直してみても良いのではないでしょうか。
清掃業務
マンションの清掃は、日常清掃と定期清掃の2つに分けることができます。日常清掃は、清掃員による(戸数の少ないマンションは、管理員が兼務していることが多いです。)日常的な清掃やゴミ出しの業務です。
清掃の範囲は、エントランスやロビー、共用廊下に共用階段等です。その他マンションの敷地内の通路や車路も清掃の範囲です。共用廊下や共用階段等の清掃頻度はマンションによって異なりますが、エントランスやロビーはマンションの顔というべき場所のため、清掃頻度を厚くしている場合が多いです。
清掃頻度は、『マンション管理委託契約書』に記載があるので、確認してみてはいかがでしょうか。
定期清掃は、ポリッシャー等の機械を使用して、人の手では落ちない汚れを清掃する作業です。
マンションの床の材質にもより、清掃頻度は異なります。2ヶ月に1回から6ヶ月に1回の範囲が一般的ではないでしょうか。この頻度も『マンション管理委託契約書』に記載がありますが、あなたのマンションは清掃回数が一般的な範囲を超えているのであれば、一度見直してみるといいかも知れません。
管理員業務
週の内3日~7日勤務が一般的です。7日勤務では休みがなくなってしまうので、複数でローテーションの勤務体制になります。戸数の多いマンションほど、管理員業務も煩雑になるため、勤務日数が増える傾向にあります。
居住者の方と管理員が接する機会は、マンションの施設の申し込みに管理室を訪れる時等でしょうか。マンションの管理員は、前職を定年退職して再就職された方が多いため、60歳以上の高齢者の方々が中心です。
このため勤続年数が長くなると、もちろん個人差もありますが、若いころのように、業務上も動けなくなってきます。70歳以上の管理員で、そのような傾向にある方が、勤務を続けていたら、管理組合をとおして、管理会社に改善を依頼してみるのもいいでしょう。
人事の問題なので、今日の明日、という訳にはいきませんが、申し入れをしても、特に理由もなく、改善に着手しない管理会社があった場合、管理会社としてどうなのか、ということも検討の対象となり得るのではないでしょうか。
まとめ
あとはマンションを運営していく上で必要な事務処理を行う基幹業務があります。
出納管理や会計報告の作成業務などがそれにあたります。またマンションの管理状況や問題の報告と言った理事会支援業務、総会の議案作成、議事録作成などの総会支援業務も基幹業務の一つです。
議事録は期日内に作成されていますか?そういったことも管理仕様の見直しのポイントの一つです。